海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

ホームズの苦闘を回顧する。優れたパスティーシュ作品 |『絹の家』アンソニー・ホロヴィッツ、訳:駒月雅子

皆さん、こんにちは。

 

そろそろ人事の季節ですね。早い会社さんですと4月1日付の人事が発表になっています。

私の勤める会社でも一足早く副拠点長は赴任されてきました。

 

私よりちょっと年下ですが、御多分に漏れず単身赴任だそうです。ちょっと気の毒です。お子さんは日本で中学受験で、奥様は子どもの面倒を見ると。

うちは子どもたちは15で親元を離れましたが、家内は幸いなことにずーっと私と一緒です。おかげで家事のことはサポートも得られましたし、くたびれて体力がなくなる前に妻と二人で旅行できたりもしています。子どもたちとの距離感もほどほどであります。

そう思うと転勤というのはなかなか過酷・残酷ですよね。

 

それでは本題に参ります。

忙しくても本を読みたいと、自分の好きな分野の本を手に取ったものです。

あらすじ(裏表紙より)

ホームズのもとに相談に訪れた美術商の男。アメリカでとある事件に巻き込まれて以来、不審な男の影に怯えていると言う。ホームズはベイカー街別働隊操作を手伝わせるが、その中の一人が惨殺死体となって発見される。手がかりは、死体の手首に巻き付けられた絹のリボンと、捜査するうちに浮上する「絹の家(ハウス・オブ・シルク)」という言葉……。ワトスンが残した新たなるホームズの活躍と、戦慄の事件の真相とは? 解説:北原尚彦

 

ワトスンが回顧する、かつてのホームズ

昨年ホロウィッツ氏の翻訳本を読み、噂に違わぬ面白さに舌を巻きました。

で、こちらも面白かった。

 

何でもコナン・ドイル財団からの許諾のもとに書かれたホームズ・シリーズとのこと。

晩年のワトスンが、かつてを思い出してとある事件を語るというもの。

その時既にホームズは死去しており、ワトスンの奥様も亡くなっていることが、端々から伝わってきます。

 

舞台はというと19世紀の雰囲気をふんぷんと漂わせるロンドン。

電気はまだなく、精々がガス灯。暗くて小汚いロンドンの街には馬車が走り、浮浪者や浮浪少年が街にたむろし、孤児院もあったり。貧富の差の大きさや資本家と労働者との差を感じます。

 

その雰囲気は、かつて読んだディケンスの『大いなる遺産』や『オリバー・ツイスト』の世界観。飢えた孤児が徒党をなして悪さをする。その裏で糸を引いているのがユダヤ人だったり。

 

で、今回のホームズ・シリーズでは、そうした孤児の一人がポイントであったわけですね。

事件は、ホームズを殺人犯として難攻不落の拘置所へと拘禁するまでに至りますが、忽然とホームズはそこから姿を消し、複数の事件をつなぐ糸を手繰り、驚きの解決へと至ります。

このあたりのアクション、展開、ホームズの慧眼などは是非読んでみてご堪能いただきたいと思います。

 

そもそものホームズ・シリーズは一作しか読んだことはありませんでしたが、派手過ぎない筆致は原シリーズに忠実に平仄をとっているように思います。

 

おわりに

ということでホロウィッツ氏によるホームズシリーズでした。

いやあ、面白かったです。元のホームズシリーズをもっと読んでみたくなりました。

ポワロシリーズなどの20世紀初頭が舞台の探偵ものが好きな方にはきっと気に入っていただけるかと思います。

 

評価 ☆☆☆☆

2026/02/24

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