皆さん、こんにちは。
義弟がそのお嫁さん一家の用事で家を空けるということで、甥っ子(義弟の子)とお手伝いさんを預かっています(なお、当地では結構お手伝いさんは大分メジャー)。
いやあ、その預かっている甥っ子ですが、実はまだ6カ月。ぷりっぷりのレンコンさんの足・ほくほくの頬っぺたに頬ずりしまくりです。
で、そんな折に読んだ本が本作。
赤ちゃん連れ去りがテーマなので今の状況の時宜に即しているな、などと感じながら読みました。ただ、どうしてどうして。なかなか骨太な本だったと思います。
あらすじ(裏表紙から)
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか……。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の逃亡の日々、極限の母性、許されるはずのない罪、その果てに兆す一条の光が心をゆさぶらずにはおかない、最高のエンターテイメント巨編。 解説・池澤夏樹
視点の違う二部構成。どちらも良かった
二部構成の本作、一部は逃亡者としての偽母の心情が生々しい。そして二部はさらわれた娘さんが抱えることになった違和感とその克己の様子。
一部では希和子の逃亡の様子を描きます。
とりわけ印象的だったのは、希和子が、不倫男が本家で作った娘をさらう場面とそれ以降。
悪いことは分かっている。捕まるかもしれない。常に不安と疑心暗鬼になる様子。その様子の描写が秀逸でした。いつまでも続くわけではない、そのうちばれるはず。そういう腰の落ち着かなさの情景が心に響きました。
二部は実の親の元に戻った恵里菜の視点。
学校では友人が出来ず、元の場所に戻りたいとも言えず、さらには家庭ではお互いが戸惑いと違和感を抱えて生きる、その生きづらさの心情が綴られます。
更には、偽母を否定しているのに、追うようにダメ男の子種を宿してしまう恵里菜については、宿痾の極北かのような筋ですが、最後に光が見える終わり方は良かったなと思います。
ダメ男・ダメ女に惚れてしまうことを『仕方ない』と呑み込む・受け入れる恵里菜はちょっと大人すぎると思います。かっこいい。でもそれも心理だし、あるよなあ、と感じました。彼女を逃した岸田さんは損したな。
おわりに
ということで、角田光代さんの小説は初めてでした。なかなか重厚で良かったです。特に後半。機会があればほかの作品も読んでみたいですね。
評価 ☆☆☆
2026/02/28

