海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

ホラーと見紛う展開。161回芥川賞受賞作 |『むらさきのスカートの女』今村夏子

皆さん、こんにちは。

 

先日、少し上めの上司から「AIを使って効率化せよ」みたいな物言いがありました。

よくあることかもしれませんが、一部の上層部には上位ライセンスが付与され、私のようなペーペーには当然のことながら高機能AIにはアクセス権限なし。かといって、個人情報漏洩防止の観点からオープンAIとかを使えるわけでもなく…。

社内AI(使いづらい)の活用頻度を上げるきっかけとしては良かったのですが、本当に自分が使っているのか、どうにも評論家のような物言いのように聞こえ、独り憤慨しておりました。

 

今年は本格的にAIを使う元年にしたいと思います。英訳・タイポミス発見以上の、より高度な使いかたが出来たらよいなと考えております。ただ、考えることは失わないように常に気をつけたいところです。

 

では本題に参ります。

あらすじ(Amazonサイトより)

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し……。
『こちらあみ子』『あひる』『星の子』『父と私の桜尾通り商店街』と、唯一無二の視点で描かれる世界観によって、作品を発表するごとに熱狂的な読者が増え続けている著者の最新作。

 

ある意味ホラーか

161回芥川賞受賞作であります。そして私にとっては初めての今村氏の作品。

端的な感想は「ひょっとしてホラーかこれ?」と言いましょうか。

 

正体不明であやしい、むらさきのスカートをはく女性が描写される所から物語は始まります。仕事をしているのか、家族は居るのか、不審にうつるこの女性を探るような描写が続きます。

 

が、そのうち気づくのは「一体この視点は誰の視点なのか」、ということ。余程この語り部のほうがキモい。むしろストーカーじゃないかと。

 

この語り部の狂気が次第にエスカレートしてゆく様が、ホラーじみた恐怖を与える作品であると感じた次第です。

 

カバーデザインについて

そうそう、表紙のデザインも印象的ですよね。

ぱっと見は女性が前屈しているように見えるのですが、よく見ると小さい子どもが二人、獅子舞のような被り物をかぶっているように見えます。

ここに、むらさきのスカートの女と、それを追う「黄色いカーディガンの女」の存在が暗示されているようにも思えます。

 

おわりに

ということで、今村氏の作品、初めて読みました。

独特、ですね。結構好きかもです。小川洋子さんの静けさと、村田沙耶香さんのエキセントリックさをブレンドしたような作風、と感じました。

あの辺の雰囲気が好きな方には楽しんでいただけるのではないでしょうか。

 

評価 ☆☆☆

2026/03/23

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