皆さん、こんにちは。
先日下の子の高校の卒業式でのこと。
校長先生が「文学でも経済でも哲学でも、なんでもよいので是非春休みの間に古典と呼ばれるものを読んで、大学生活に備えてください」と仰られていました。
それを聞いた私は、よし娘にプラトンの対話篇でも読ませてみよう、思いました。が、まあこれは絶対にウザがられるのだろうと一瞬で脳内却下。
少しして、古典読めって校長言ってたじゃんと娘にいうと、娘は「あそういえば、「イエロー」?とかって本?あれ読んで見たい」とのこと。ああ、あれねと早速仕入れてきたのが本書。
子どもに読ませる前に自分で読んでみたものです。
ハーフの男の子のはなし
まあ平たく言えば、英国在住のアイルランドと日本のハーフの男の子(中一)の一年間、とでもいったところ。
小学生の時は柄のよい学校に通っていたのでわからなかったが、中学進学時に近所の「元」底辺校へ進学し、よのなか・現実の歪みや問題点を知るようになる、というもの。
なお近年ではハーフという言葉もPC(=political correctness)に引っかかるそうです。一旦使わせていただきます。
マージナルな存在
うちも国際結婚をして日本でも家内の国でも暮らしたわけで、マイナー、もといマージナルな存在の不安定さや不安を感じたものです。
大人がそうであれば、子どもはもっとビビッドにそのことを感じるのでしょう。
中国人と揶揄されたり、移民と揶揄されたり、成功した移民が貧しい地元民を貶めたり。そういう行動を筆者のムスコ君が見て、感じ、やっぱりおかしいのではと母親に問う。その気持ちを母親がじっくりしっかり受け止める。
もうね、このムスコ君が非常にできた(ないしは純真な)こころの持ち主、読んでいていとおしくなります。
家族の豊かさ
でちょっと考えたのが、この筆者の家族は豊かだなということ。
これは決して金銭的なことではありません。
母親や父親が、子どもの疑問を正面から受け止める精神的余裕があるということであります。
他方周囲を見れば、父親も母親も忙しく、なんなら子どもも塾通いで忙しそうな家庭が多くも見えます。うちもそういう家庭の子どもでしたが、家族でしゃべるという機会は実に少なかった気がします。
で私はどうなったかというと、私立中学・高校で勉強をしっかりして、世の中分かったみたいな勘違い野郎になり、時事を知らない両親を時に馬鹿にし始めたりと。まあ私の問題ではありますが。
本作でも問われるLGBTQ、女性の権利、移民の話等々。これらは正解がない話だからこそ、したり顔評論家みたいに答えを言い合うのではなく、「意見」を述べ、比較検討をすることが大事なのでしょう。それを家庭でまず実践できるのは実に豊かだなあと感じた次第です。
おわりに
ということでブレイディみかこさんの本でした。
ミックスカルチャーを作り上げている点はもちろんのこと、英国で保育士として勤務していた点でも氏のユニークさが光るかと思います。また、国際結婚をした身としては、頷いてしまう点も幾つかありました。
続編もあるらしいので安かったら読んでみたいと思います。
評価 ☆☆☆
2026/04/04

