海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

淡くプラトニックな大人の恋慕 |『センセイの鞄』川上弘美

皆さんこんにちは。

 

読書が好きです。

で、そういう同好の士のブログを見ていて、ふと書名が頭に刻まれることがあります。

それがおきたのはつい先日。いつも楽しみに読ませてもらっているじゅくせん氏(id:Hirono0562)のブログで目に留まり、そのまま頭に残っていたのが本書。そのポストで、いったい何の本の話をしていたのかも覚えていないのに、引き合いに出された本書だけ不思議と頭に残っていました。

 

ということで本題に参ります。

 

あらすじ(裏表紙より)

駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。年の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。解説・木田元

 

ひとこと

40代の元学生とその先生(70代?)がふと街中の居酒屋で出会い、その後つかず離れず飲み仲間となる。

そして、この元学生がほんのりと先生へ恋慕の情を育んて行く。

 

なお本作で谷崎潤一郎賞を受賞

 

読後にじわじわ「分かるかも」と。

正直当初はピンときませんでした。

50代になり各種の欲が減退しつつある私。70代になり30歳も下の人と恋をできるのか? と自問すると、これはなかなか難しいと想像します。というか読中は想像できなかった。

 

でも、今読後に70代の自分を想像して考えると、将来のある若い人がいたとして、老い先短い自分とわざわざ一緒に時間を過ごすことに、自分自身も反対するかもしれません。

 

作中でも、センセイは飄々として、つかず離れずで女性を拒否もしなければ最後まで受け入れもしない。そこに女性も(読んでいる私も)ややもどかしく感じているのですが、読後に考え直せば、もし自分なら(自分でも)そう対応するかなあーと。

 

最後の数ページで物語は急展開しますが、それもまた想定が出来たこと。物語全体の飄々とした雰囲気が持続し、私は解説の木田氏程ショックは受けませんでした。

 

おわりに

ということで川上氏の作品はこれで二作目でした。

ほんとうに、柔らかい印象の作品を書く方ですね。

 

なお解説の木田元氏は現象学で有名な哲学者。学生の時は氏の著作や氏による訳書を結構読んだ気がします。で、ご想像の通り、解説がかったーい感じでした笑。

 

評価 ☆☆☆

2026/04/05

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