脳ドック後の診察に軽ーい気分で行きました。神妙・シリアスに総合病院での再検査を言い渡され、紹介状を渡されました。来週帰国するんですが、というと、それどこじゃないですよ、と。真顔で、帰国はお勧めしません、と。
私だけ飛行機をキャンセルして居残るか、はたまた来月か再来月くらいに再度帰ってくるか、まだどうするか決めていませんが、引き続き居所と日本を行き来する生活になりそうです。交通費が・・・・。
さて、伊坂作品再読シリーズも本作で7作目。
ホント、いいですね。面白い。
とまあ、どうしても応援したくなる or 妙に気になる人物が今回も出てきます。
ひとこと
本作も絶品の伊坂エンターテイメントであったと思います。
今回も舞台は仙台。そして物語の中心は陣内という家裁調査官。
この陣内という破天荒かつどこかまっすぐな正義感を持つ若者を中心に物語は回ります。
概要
物語は伊坂氏のお家芸の人物リンケージです。短編5編から全体を構成します。
『パンク』は陣内の友人鴨居からの視点で、陣内とともに巻き込まれる銀行強盗の様子を描きます。盲目の青年永瀬が銀行強盗の仕組を解明しますが、警察は取り合いません。
『チルドレン』は家裁調査官で陣内の後輩の武藤からの視点。志朗君という万引きで家裁に連れてこられた少年と武藤とのやり取りに、先輩たる陣内が謎かけのようなヒントで武藤を誘導します。
『レトリーバー』は先の『パンク』で名推理を提出した永瀬の恋人優子の視点。駅前にたむろする人らが2時間もそのままであることを発見する陣内。これに反論する永瀬と優子であるが、実際の真相は奇想天外な結果で・・・。
『チルドレンII』は再び家裁調査官武藤と陣内の話。ここは元バンド少年としては最後はまじでシビれる。敢えて詳細は書きませんが、私は本編が一番好きです。
『イン』は盲目の青年永瀬の視点。ただし本編では陣内は中心ではなくあくまで彩り程度。屋上の催事で座る永瀬自身がメイン。目が見えない彼の状況が、読者をも推理に巻き込む。発話の多義性やいつも通りにならない(感覚・嗅覚・聴覚が通常通りでない)ことの理由は何か等、少しミステリーチックに永瀬の日常を描く。
おわりに
ということで伊坂作品でした。
中高生には、こういう破天荒だけど心がまっすぐな人物(陣内)が出てくるような作品を読んでもらいたいなあとふと思いました。どのように感じるのか。
今度高校生の子どもたちに読ませてみようかしら。題名、チルドレン、だし。
評価 ☆☆☆☆
2023/07/12