海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

生物の妙!生物学は面白い―『ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学』著:本川達夫

今から30年くらい前、私が高校生の頃、大学受験用の現代文でしばしば取り上げられていたのが本作「ゾウの時間 ネズミの時間」でした。生物学って面白いやんか!と感動したことを覚えています。もっとも、数式も結構出てくるので、数Iで数学に挫折した私には…

ちょいめんどくさい自意識過剰女性、自己回復の話。分からんでもないけど・・・- 『うつくしい人』著:西加奈子

この本、読中めちゃくちゃ疲れます。なんというか、そう、メンドクサイ! あらすじ 小金持ちの家の娘、百合の話。けっこう自意識過剰。姉は天真爛漫で美しく、でも引きこもりとなった。対して百合は世間の空気を読みつつ学生時代も社会人時代もサバイブして…

人は多様にずるをする!ずるの正当化がすごい!―『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』著:ダン・アリエリー 訳:櫻井祐子

私の個人的なテーマとして人間とは何か、という疑問があります。 生物学的な仕組みも、感情の動きも、精神と肉体の繋がりもすべて興味があります。その関心は、学部生の卒論時から細々とですが途切れることなく続いています。 その点、本作も人間の癖や性向…

机のわきに置いておきたいデリバ辞書―『デリバティブキーワード300』著:住友信託銀行マーケット資金事業部門

この使い古された本は、私のメンターが日本へ本帰国になった際に置いていったものです。「じゃ、これ、どうぞ」 こういう時は、これくらい分かっておいてくださいという意味です。 ロックダウンが続き、通勤が不要になってから大分経ちますが、ふと「俺最近…

箴言集、あるいは政体論。政治ないし中世ローマ等の専門家向けか―『ディスコルシ 「ローマ史」論』著:ニッコロ・マキァヴェッリ 訳:永井光明

正直言うと、安さにつられて買ってしまったんです。 ひと月くらい前でしょうか。通常価格1,700円くらいの本作が499円でした。しかもポイントがさらに200円分。ということは実質300円。安くないか!?しかも私の好きな歴史関連!Amazonレビューでもなかなかい…

意味深な例文にハッとする笑 単調でない読み取りドリル

今春から日本の高校で学ぶ息子の楽しそうな姿を見聞きし、中学生の娘も『私も日本の高校に行きたいかも』と言い始めました。 本当に行きたいのならいいけど、あたな、日本語大丈夫? 結構ルー大柴みたいだよ!? とはいえ、やる気があるのにそれを潰すのも忍…

親日はうれしいけど、真の融和はどうすれば可能か分からない―『親日派のための弁明』著:キム・ワンソプ 訳:荒木和弘、荒木信子

大日本帝国が20世紀初頭から第二次世界大戦までに繰り広げた蛮行に関し、メディアで報道されるたびに、その子孫の一人である私は悲しくなります。 学校でも習うし、きっとそんな蛮行は本当なんだろうなとは思いますが、本当に悪いことだけだったのか、という…

正しいとは何か?んなの分からないよ!!―『これから「正義」の話をしよう』著:マイケル・サンデル 訳:鬼沢忍

今から約10年程前の作品。あのころは非常に盛り上がっていたように思います。コロナやオリンピックで騒がしい昨今、古本屋に並んでいた本作に、ブームは完全に去ったと判断し、そろそろ読んでみようと思い手に取りました。 しかしまた長いタイトル。原題は”J…

ユニークなキャラたちが雪山でひと騒動(サスペンス系)- 『疾風ロンド』著:東野圭吾

妙に寝つきが悪い晩、読みかけの本を一冊読み切り、それでも眠れず読み始めたのがこちら。ふて寝ならぬ、ふて夜更かしを決め込み、あっという間に読了。 雪山を舞台にしたスリラーであるこの作品、東野作品としては安定した楽しさを味わえる一方、既視感にも…

ミステリの名作。作品が面白く英語でもどんどん読める。―『MURDER ON THE ORIENT EXPRESS』著:AGATHA CHRISTIE

娘が学校の友人から借りてきて激賞していたので、そうなんだぁー、へー、と言いつつ自分も読んでみたくなり、早速試してみた次第です。 因みにこちらのジャケはインド亜大陸特別版とのことです。買ったのは東南アジアですが。 名前はよく聞いていましたし、…

自由主義の成立は中国から!?今後の日本を考える良書―『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』著:與那覇潤

購入して通読二度目。相変わらず面白い。 lifewithbooks.hateblo.jp 本作は歴史書の顔と日本論の二つの顔を持つと言えますが、そのどちらの切り口も非常に興味深いものだと思います。 中国化とは自由主義のこと!? 歴史書としては「中国化」の概念の導入。 …

ジェンナー伝を読んで、ワクチンやら自己決定権やら相互理解をつらつらと。―『ジェンナー伝』著:小酒井不木

コロナ禍の下、これほどまでに予防接種について世間が関心を持ったことは、私の40年強の人生ではなかっと思います。 ジェンナーは世界史でほんの一瞬ちらっと「予防接種の祖」、のような説明で出てきて興味が湧きました。ジェンナーについて知りたいなと思っ…

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