海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

英語

英語でエンタメ小説を!格式のある美しい英語 |『THE BODY IN THE LIBRARY』AGATHA CHRISTY

皆さん、こんにちは。 アガサ・クリスティの本を見るといつも冒頭につらつら書かれているのですが、何でも彼女の著作は世界で(累計で)三番目に多く売れたそうです。 一位は聖書、二位はシェークスピア、そして三番目はアガサです。 ・・・なんてことを聞く…

英語力も米国文化も理解が中途半端だと消化不良になるよ |『DILBERT AND THE WAY OF THE WEASEL』SCOTT ADAMS

皆様こんにちは。 今週は仕事が忙しかった・・・。というか、少し仕事の仕方を変えてみました。 同じ業務を8年もやると、「型」が定まります。で、普段その定型枠に沿って仕事をするのですが、たまに「はて、これは本当にいいのかな」「いったいこれはどうな…

共働き夫婦の子育ての格闘からの、うるうる感動のフィナーレ |『THE ROSiE RESULT』GRAEME SiMSiON

今更ですが、気付きました。 「最近俺、英語の本、全然読んでない! 今年になって5か月目でわずか二冊!」 昨年は結構調子よく読んでいたんですよね。ひと月に一冊ペースくらいで。 今年は年初から日本に帰っていて、どうしても日本語の読書に引っ張られた気…

英国移民の厳しい現実をえぐる。引き込まれる佳作 |『The Year of the Runaways』Sunjeev Sahota

ランキング参加中読書 ランキング参加中書評 日本では外国人労働者の受け入れには否定的、労働力だよりの移民には断固反対。こんなニュースをしばしば耳にしてきました。 ところが、コロナ後に何度か一時帰国すると、ワクチン接種を確認するファストトラック…

007のボンドをホロウィッツ氏が上手に料理。面白い |『TRIGGER MORTIS』ANTHONY HOROWITZ

海外モノの小説は実は小さいときから割と好きでした。なかでもモダンホラーの先駆的な存在であるスティーブン・キングとD.R.クーンツの二人の作品は中高生の時に貪るように読んだ記憶があります。 年を経て、中高生の我が子らに本を読ませたいという意図(言…

英語でも、読む手が止まらない傑作小説 |『Not a Penny More, Not a Penny Less』JEFFREY ARCHER

Jeffrey Archerという作家さんはうっすらとお名前は存じ上げていましたが読んだことがありませんでした。 そもそものきっかけは『木曜殺人クラブ』が読みたいなあとAmazonを検索したのが端緒。一緒によく買われている作品ということでリコメンドで出てきたの…

くすっと笑える米国版爆笑小ネタ集 |『ANT FARM』SIMON RICH

お笑いやジョークというのは実は非常に高度で難しいものだと思います。あえて言葉を字義通りに表現せず同音意義をとってみたり、有名な諺やクオートに当て擦ってみたり。 かくいう我が愛妻も「日本のお笑いで笑えるようになってやっと日本語が上達したって感…

傑作の名に恥じない面白さ。150年前が信じられないモダンさ |『A STUDY IN SCARLET』SIR ARTHUR CONAN DOYLE

最近集中力に欠けています。10月はPride&Prejudice(Jane Austen)を読んでいたのですが、英語が難しく全く集中できず、遅々として進まず。結局忙しさにかまけて読まなくなってしまい、挫折。積読棚へ移行しました笑 英語は習慣的にコンスタントに触れていたい…

肩の凝らない英国歴史エンターテイメント |『A POINTLESS HISTORY OF THE WORLD』ALEXANDER ARMSTRONG & RICHARD OSMAN

近頃、テレビやニュース、雑誌などを殆ど読んでおりません(世捨て人!?)。それでもやめられないのが皆さんが書かれているブックレビュー笑 その中でこの一年良く目についたのがリチャード・オスマン氏。氏の書いた『木曜殺人クラブ』のレビューで、どの方も…

英国の伝説・伝統的冒険譚。ファンタジー嫌いも楽しく読める |『KING ARTHUR AND HIS KNIGHTS OF THE ROUND TABLE』ROGER LANCELYN GREEN

世界史を勉強すると英国史で言及されることが多いアーサー王伝説。英国の伝説・伝承文学にして最も有名なものと言いうると思います。サクソン人(Saxon)を撃退し、英国(Briton)を平和に導くアーサー王と彼を支える円卓の騎士の物語です。 で、これが予想をは…

無料なのは別著作への導入ゆえ? |『BEST VERSION OF YOURSELF』 JIM KWIK

James Altucherという方のポッドキャストを以前聞いていました。そのゲストで著者が出ており存在を知りました話しぶりはなかなかに面白く、かつアジア系なので印象に残っていました。 そんな著者の名前をAmazonで打ち込んでいたら本作Kindle版でタダ!という…

自己省察力が光る幸せ追求ノンフィクション | 『THE HAPPINESS PROJECT』 GRETCHEN RUBIN

「幸せ」とは、なかなかにむつかしい。 特に日本人は幸福度ランキングが低いことで有名?です。他国や他人と比較すれば、色々な点で恵まれている。だけど幸せと感じない。。。 そんな「あるある」に正面から取り組んだのが本作。ちなみに筆者の義理の父は米…

ルネサンス期の文学を読んだあとに読む本 | 『CHAUCER’S PEOPLE』著:LIZA PICARD

近くの新古本を売る書店で一年ほど前に500円ほどで購入したもの。でも寝かせておいて正解でした。その後デカメロンとカンタベリー物語を読んだので、相応の下地ができました。にしてもAmazonで評価4.5。本当か? 評価を確認してから購入しましたが、読後に評…

大人が味わう童話集 | 『THE CANTERVILLE GHOST, THE HAPPY PRINCE AND OTHER STORIES』著:OSCAR WILDE

ここ数か月、忙しさにかまけて読書ペースが落ちています。本作は英語の本ですが、読了に一か月かかってしまいました。英語の本はどうやったら早く読めるのか?。。。今更単語の暗記とかもしたくないしなあ。。。うーむ。 オスカー・ワイルドという作家をご存…

黒人社会の閉塞感を描く作品か | 『THE BLUEST EYE』著:TONI MORRISON

以前読ませて頂いていたブロガーさん(id:AgentScully)が全米図書協会(American Library Association)の”禁書リクエストランキング(Most Challenged Books)” を纏めており、そこに掲載されており、読んでみたいと思った次第です。残念ながらこの方のサイト…

これまで読んだアガサ作品で一番面白かった! | 『FIVE LITTLE PIGS』著:AGATHA CHRISTIE

近所の新古品を扱う本屋で5冊セットで買ったもの(確か日本円で2,500円程度)。こちらが最後に読んだ作品となります。 これまでアガサ・クリスティの作品を4冊読んできました。”MURDER OF THE ORIENT EXPRESS”, “THE ABC MURDERS”, “MURDER OF ROGER ACKROYD…

英語マジ難しいぃ!内容はモダンホラーで傑作 | 『COLD FIRE』著:DEAN KOONTZ

モダンホラーとの出会いは中学生か高校生の頃。 当時の私は電車通学でしたが、毎日片道約90分の行程。大抵寝落ちするのですが、落ちるまでは大体読書というのが日課でした。そしてどういう経緯か、スティーブン・キングを読んで以来モダンホラーにはまり、本…

ボッティッチェリ画集 | 『BOTTICELLI』著:ISABELLA ALSTON

中世イタリアの美術史をひも解けば必ず登場するボッティチェリ。本書はそんなボッティチェリの作品を集めたまさに『絵本』。 初めの10ページほどがボッティチェリとその作品についての小難しい説明。ルネサンス、新プラトン主義、メディチ家の庇護を受ける、…

マグナ・カルタ成立の過程と当時の庶民文化を描く ― 『REALM DIVIDED』著:DAN JONES

一言で言うと 本編は英国のみならず世界の法制度に影響を与えたマグナ・カルタ成立前後の約4年ほどを描く歴史ノンフィクション作品。 同筆者の作品でその名も『Magna Carta』というものがあり、本書とは内容の多くが被っています。『Magna Carta』ではプラン…

IELTS入門書としてはまずまず |『IELTS WRITING TASK 1+2』著:RACHEL MITCHELL

娘の高校受験用にIELTSスコアを使用する予定で購入しました。 息子が日本の高校へ進学しエンジョイしている姿を見るにつけ、下の娘も日本の高校に行きたいと主張し始め、いわゆる帰国入試の利用・加点を狙ってIELTSの勉強をし始めた次第です。本だけ与えてプ…

浮気が原因の殺人事件!?真相は意外な方向に… | 『EVIL UNDER THE SUN』著:AGATHA CHRISTIE

以前購入した5冊セットのうちの一冊を読みました。 またまたインド亜大陸特別版。ちょっとなまめかしくて二度見してしまいました これまで3冊のアガサ作品を読んで参りまして本冊が4冊目。ちょっと慣れてきたのか、あまり興奮もせず、普通に読み終わってしま…

英字で金融情報を読みたい人には激推し ― 『金融英語入門』著:柴田真一

翻訳ものを読んでいて、原文を読んでいなくても「こなれているなあ」と思ったことはありませんか。 そういう意味で、本作は、金融英語についての「こなれた」感が強くにじみ出ている英語本だと思います。 内容は全4編で金融の内容について章だてが分かれてい…

一見お下劣なYA本も、読後に強い苦み ― 『The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian』著:SHERMAN ALEXIE

id:AgentScullyさんのブログで、全米の『最も抗議・異議が寄せられた本ベスト10』なるものを目にして以来、これらが一体どういう本であるのか読んでみたくてウズウズしておりました。 blog.the-x-chapters.info 最初に”To Kill A Mockingbird”(邦題『アラバ…

社会での不正にどう向きあうか ― 『To Kill a Mockingbird』著:HARPER LEE

公民権運動を経て黒人差別が撤廃されてからまだ100年もたっていないと聞くと、私なぞはちょっと驚いてしまいます。LGBTQなど多くの性的な差別すら解消されようとしつつある昨今に対し、自分たちの父母ないし祖父母が若かったころ、アメリカではいまだに堂々…

読んでみて!としか言えない、傑作ミステリ ― 『THE MURDER OF ROGER ACKROYD』著:AGATHA CHRISTIE

いやあ結局驚いた。ああ、そういう事か!と最後に膝を打つ。 多作のアガサ・クリスティーの作品群の中でも代表作として挙がることが多い本作。確かに面白かった。 (因みに今回もインド亜大陸版につき表紙はAmazon版と異なります) あらすじ とあるイギリス…

シンプルな例文に微妙なニュアンスをのせる例文。上級者向き英語本― 『ロジカルイングリッシュ 英語力は文法より「話す順番」で決まる!』著:有元美津世

アジアに渡ってきて早8年目。業務の連絡は英語を使いますし、厳しいインドなまりや華僑のなまりにも大分慣れました。アジアでは何とか英語で意思を伝えることができると感じますが、いかんせんストリートファイト仕込みという引け目が未だにあります。 今年…

今年一番のインパクト。自分を変えるプリンシプルのつくり方 ― 『PRINCIPLES』著:RAY DALIO

事のはじめはメンターからの一通のLINE。7月の暑いさなか、相変わらずぶっきらぼうに以下の動画リンクだけが送られてきた。 youtu.be 16分の結構長めの動画。見ると、どうやら本のサマリーのようです。 ・・・この本を読めという事だと忖度する。まあ確かに…

リベラル願望に潜む差別意識、でも大家族パーティーやってみました! ― 『IT’S ALL RELATIVE』著:A.J. JACOBS

以前米国人の知人と話をしていた時、私が思想系が好きだと言うと彼が教えてくれたのがJames Altucherです。 jamesaltucher.com このJamesは、超ではない有名人をゲストに呼び話を聞くというPodcastをしており、私も通勤途中で聞きながら面白そうな人がいたら…

ロンドン近郊を舞台にした連続作人事件。面白い! ― 『ABC MURDERS』著:AGATHA CRISTIE

先月読んだ『MURDER ON THE ORIENT EXPRESS』が存外に面白く、かつ直近で読んでいた英語の本が非常にストレスフルであったので、気分転換にこちらの本を読んでみた次第です。 lifewithbooks.hateblo.jp (実は5冊セットのボックスを購入しました。そのうちの…

かつての悲惨なロンドンが生々しい。ストーリーは普通か ― 『OLIVER TWIST』著:CHARLES DICKENS

以前、『大いなる遺産』を読みました。凄くではないのですが、150年以上前のものとしては読めるじゃん、意外と面白いよ、というのが感想でした。 lifewithbooks.hateblo.jp その時の「意外と面白かった」が頭に残っている時分、近くの新古品を売る書店でこち…

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