海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年は会計と英語を勉強します!

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文語調?がくせになる京都の学生譚|『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

わたくし的には、今月は、「新たな作家さんを渉猟する月間」であります。 海外に居ると店頭でのジャケ買いも難しいですし、さりとてネットのAmazonでAIにリコメンドされる本を買うのもなんだか癪だし、新たな出会いを生み出すことは結構難しいかもしれません…

大人になってからの自発的な勉強こそが勉強 | 『勉強の価値』森博嗣

本作ではないのですが、先日、娘がやっていた国語の問題で森博嗣氏の論説が出てきました。娘の回答は散々でしたが、筆者の作品は読んだ事がなく、氏に興味を持ちました。その結果、氏の小説と本作を購入したものです。 lifewithbooks.hateblo.jp ということ…

真剣なアホが素敵すぎる|『時をかけるゆとり』朝井リョウ

アホが真剣過ぎて素敵 青春 ・・・この言葉を、すべての人が納得いくように形容したり換言してみることは、きっと難しいことでしょう。それはもちろん、その若き時代に経験した思い出深い事象が各人によって異なるからです。恋散った甘酸っぱい青春もあれば…

オルタナティブ進路で世間を生き抜く?でも決めるのは難しい | 『13歳の進路』村上龍

『13歳のハローワーク』という本とセットで買いました。“ハローワーク”は世の中にどんな仕事があるのかを紹介するいわば職業図鑑。職業が教科別に配置されており、教科についての興味から職業を引くという謂わば職業事典とでもいった風采でした。 こんな進路…

漢字とひらがなによる日本語が美しい|『蜘蛛の糸・地獄変』芥川龍之介

この前、海外にきて初めて本を売りました。今でいうところの海外版「メルカリ」みたいなサイトでのことです。今まで3回売れたのですが、ぜーんぶ現地の方が購入者。ちょっと驚きました。ひょっとしたら業者か?笑 で、せっかくだから何か出物はないか、安く…

李鴻章は河豚を食べなかった!もったいない! | 『歴史のかげに美食あり』黒岩比佐子

食べることが好きです。 食材が調理によって姿を変える――千切り、短冊、乱切り、千切る、そぎ切り、ぶつ切り、サイコロ、三枚おろし等々の下ごしらえ。そしてこれらを、焼く・炒める・揚げる・蒸す・煮る等の加熱を施す。あるいは生食も。たった一つの食材で…

くすっと笑える米国版爆笑小ネタ集 |『ANT FARM』SIMON RICH

お笑いやジョークというのは実は非常に高度で難しいものだと思います。あえて言葉を字義通りに表現せず同音意義をとってみたり、有名な諺やクオートに当て擦ってみたり。 かくいう我が愛妻も「日本のお笑いで笑えるようになってやっと日本語が上達したって感…

コンパニオン嬢が活躍!肩がこらない推理小説|『ウインクで乾杯』東野圭吾

こらえ性のない長男が唯一読書でとっかかりを見いだした東野圭吾先生。二年半ぶりに会う彼の本棚にたたずむ本作。「どうだった?」と聞くと「うーんいまいち、あんま覚えてない」とのこと。神通力もこれまでか、親として確認してみた次第です笑 裏表紙あらす…

ワークライフバランス先駆者の人生談。壮絶 | 『50歳からの生き方』 佐々木常夫

アラフィフの私。窓際であり昇進がなく、その上子供たちが高大へと進学する一番家計的に厳しい時。そんな折、何かの足しにはならないかと本作を手に取った次第です。ちなみに2年半ぶりに帰った実家で親父が初期の痴呆であることがわかり(私の勤務先を毎日聞…

自己省察力が光る幸せ追求ノンフィクション | 『THE HAPPINESS PROJECT』 GRETCHEN RUBIN

「幸せ」とは、なかなかにむつかしい。 特に日本人は幸福度ランキングが低いことで有名?です。他国や他人と比較すれば、色々な点で恵まれている。だけど幸せと感じない。。。 そんな「あるある」に正面から取り組んだのが本作。ちなみに筆者の義理の父は米…

興味深いマイクロファイナンス、日本での展開は未知数 |『構想 グラミン日本』菅正広

先日、子供つながりで友人となったオヤジたちとオンライン飲みをしていて話題になったのが55歳役職定年や早期退職。会社を辞めるかどうするか、第二の人生どうするか、等々。私の会社にはそうした制度はありませんが(そもそも役職についていないし。。。)…

理屈っぽい大人が読むと失敗するYA本?|『お父さんはユーチューバー』田口倫太郎

この度、無事日本に一時帰国を果たしました。2年半ぶりに両親と息子(日本の高校に通っている)と会い感慨に耽るも、あまりの暑さに思考も鈍っています。もともと鋭くもないけど。そしていつの間にかなくてはならないエアコンとの生活。これに今一番驚いてい…

むしろ中国古典学習の副教材として | 『論語と算盤』 渋沢栄一

皆様ご無沙汰しております。2年半ぶりの日本への一時帰国を控え、仕事に子供の勉強にバタバタしておりました。ついでに家内の更年期?の諸々もあり、読書に全く取り組めていない今日この頃であります。 ひとこと感想 端的に言えば、論語と同様、ややまとまり…

投資銀行のキラキラした一ページを描写。最後は勧善懲悪的か | 『トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て』黒木亮

今期より月一回自分に課している自主出社?を先週して参りまして、休憩室にある本棚に置いてあった本作を持ってきて読んでみたものです。 二十年前以上に発表された本作。日系銀行から米系外資系投資銀行に移籍したやり手のインベストバンカーと、その同期で…

ルネサンス期の文学を読んだあとに読む本 | 『CHAUCER’S PEOPLE』著:LIZA PICARD

近くの新古本を売る書店で一年ほど前に500円ほどで購入したもの。でも寝かせておいて正解でした。その後デカメロンとカンタベリー物語を読んだので、相応の下地ができました。にしてもAmazonで評価4.5。本当か? 評価を確認してから購入しましたが、読後に評…

安定の面白さと、安定の驚き!?|『沈黙のパレード』東野圭吾

今、大分長い本を読んでいます。ページ数を見たら実に、752ページ! そういう長い本を読んでいるときはついつい寄り道で他の本に手を出してしまいます。 ということでこちらがその『寄り道』の本。実は本作、会社の本棚に置いてあったものです。 ・・・とい…

曰くつきの学園で起こる殺人の謎とは|『麦の海に沈む果実』恩田陸

最近、シンガポールの地域本部と喧嘩をしまくっていて、ちょっと疲れたので小説で休憩。メールだと通常の発話の1.5倍くらい攻撃的に(個人的見解)感じますが、ridiculous/disappointing/unbelievable などの単語でディスられてちょっと落ち込みました。シン…

FIREを達成した趣味人の発掘記録の数々 | 『古代への情熱 シュリーマン自伝』著:シュリーマン、訳:関楠生

「まるでマンガみたいだ」 現実離れしていて、あり得ない・有り難い状況を形容するのに使用したりしますね。外国語ペラペラ、お金もたんまりあってFIRE達成。日頃は趣味の文化的活動にいそしみ、教科書に載ってしまうほどの業績を挙げる。果ては、欧州人の年…

社会規範よりも愛を選択したとき | 『完訳チャタレイ夫人の恋人』著:L.H.ローレンス、訳:伊藤整、補訳:伊藤礼

大学で軽音楽サークルに入りました。「オヤジ君は、そうだな、むっつりスケベでしょ?」先輩にこう言われて即座に否定しました。普通にスケベであると自任していたから。 その点、本作『チャタレイ夫人の恋人』は謂わばむっつりじゃないスケベ、おっぴろげ…

この本読んで子供向けにパワポ作ります | 『大学受験 志望校に「合格する子」の親がやっている6つのこと』著:鈴木優志

実をいうと、この手の本ははあまり買いたくはありませんでした。甘っちょろい話をすると、子供には伸び伸び育って欲しかったし、言われなくてもやる気を出してほしいと感じていました。 高校二年にもなっても全くやる気を出さず(というか学校の勉強すら余裕…

大人が味わう童話集 | 『THE CANTERVILLE GHOST, THE HAPPY PRINCE AND OTHER STORIES』著:OSCAR WILDE

ここ数か月、忙しさにかまけて読書ペースが落ちています。本作は英語の本ですが、読了に一か月かかってしまいました。英語の本はどうやったら早く読めるのか?。。。今更単語の暗記とかもしたくないしなあ。。。うーむ。 オスカー・ワイルドという作家をご存…

中学生以上の勉強テクニック集 | 『自宅学習の強化書』著:葉一

同じようなネタでごめんなさい。このシリーズ、あと数冊続くかも。。。 突然ですが、よく、職人の徒弟制度等では、見て学ぶ・技を盗む、なんてことが言われます。何かが直接教えられるのではなく、主体的に「取り」に行って、ノウハウやコツを体得する。 現…

読んでるだけで脳内テレビドラマ|『禁断の魔術』東野圭吾

GW真っ只中ですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。私は日本には居りませんが、居住国がイスラム教国で今年はたまたまこの時期に断食明けの祝日となり、くしくも4/30から5連休。 リモートワークが常態化し、休みなのに結局毎日PCを開けてカチャカチャやっ…

キリスト教的価値観で締めるも、やっぱりルネスサンス期の息吹 | 『完訳カンタベリー物語(下)』著:チョーサー、訳:桝井迪夫

上巻・中巻と読んできましたが、最後は若干飽きを感じつつ、他の本に目移りしつつ、たらたらと読んでおりました。GWに入り何とか読了した次第です。 下巻では修道僧の物語、尼僧付きの僧の物語、第二の尼僧の物語、錬金術師の徒弟の話、賄い方の話、教区司祭…

黒人社会の閉塞感を描く作品か | 『THE BLUEST EYE』著:TONI MORRISON

以前読ませて頂いていたブロガーさん(id:AgentScully)が全米図書協会(American Library Association)の”禁書リクエストランキング(Most Challenged Books)” を纏めており、そこに掲載されており、読んでみたいと思った次第です。残念ながらこの方のサイト…

旅情をくすぐる2時間ドラマ的な|『クレオパトラの夢』恩田陸

読んだ冊数を比較しても意味がない、と子供には散々言うくせに、ちょっと忙しくなって読了する冊数が少なくなると、何かこう、ちょっと数を稼ぎたくなります笑 で、気晴らしも兼ねて私の好きな恩田さんの作品をチョイスしてみました。 裏カバー あらすじ シ…

超入門でも完全に理解できず・・・ | 『はじめよう!統計学超入門』著:松原望

高校で数学をあきらめた経験が尾を引いています。 金融業界で仕事をしていますと、証券分析や財務モデル・リスク分析等で数式も出てきますし、本棚に20年くらい積読してある(その間3度はトライし挫折した)アマルティア・センの本などにも数式が。あれを読…

遺跡を巡るミステリー。舞台で演じたら映えそう。 |『MAZE』恩田陸

遺跡。ロマンを感じます。今は廃墟となり朽ち行く壁際にそっと手を当てて、数百年前、いや数千年前にもそこに人が生を営んでいた。 …なんて考えるだけで少し興奮します。私は遺跡も古墳も行ったことははありませんが。 今回は遺跡を巡るミステリーを読んだ次…

赤の他人同士が支え合う個の時代の到来 |『52ヘルツのクジラたち』町田その子

私、新刊は殆ど手に取りません。 基本お金がないので、出来れば十分に値が下がった後でブックオフで100円とか200円とかで買いたいというのが本音。安くなるまで待ち、時の洗礼を経てそれでも廃れない作品ならば読んでみよういうひねくれ者であります。 そん…

証券アナリストの何たるかを教える本 |『証券アナリストのための企業分析』著:徳増倎洪、阿部大輔、力丸洋

もうかれこれ20年ほど前になりますが証券システムのSEをやっていた時に証券アナリストの資格試験の勉強を始めました。その際の標準テキストであったものを出来心で再読したものです。 内容は、証券アナリストとしての業務内容・具体的な分析事例などを概観す…

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