海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

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居酒屋で隣り合わせたオヤジが、実は業界のすんごい人だった、みたいな本 |『小倉ノート』小倉清一郎

しつこいようで申し訳ないのですが、今年は高校野球(甲子園)にドはまりしました。 神奈川県予選の準決勝を横浜球場で見て、その後決勝をテレビ神奈川で見ていました。横浜高校対慶應義塾、9回表のダブルプレー未遂(横浜高校)とその後の逆転ホームラン(…

ガヤつく関西弁と美しく印象的な日本語、そして不思議ちゃん |『ふる』西加奈子

ひとこと 私のお気に入りの一人の西さんの作品。 相変わらずぶっ飛んだ感じの作品でした。 気になったこと、幾つか タイトルからして「ふる」ってのは頭の中では「振る」?雪が? あるいはあだ名が「ふる」みたいな(古川とか古田)みたいな人が出てくるのか…

哲学的キャリア論!? |『だれのための仕事』鷲田清一

昨年、まだ娘が中三であったときに購入した本作。 娘はキコクというくくりで、日本語力も英語力もどちらも未熟なローティーンでしたが、国語ではとりわけ論説文が苦手でした(多分今も)。大学受験でも往々にして出題されますが、小難しい日本語論、日本文化…

村上版ナショナルストーリープロジェクト? |『回転木馬のデッド・ヒート』村上春樹

かねてから少しずつ実家の書籍を売却していましたが、ここにきて少し勢いがついてきました。 以前からちょくちょくご紹介している通り、居所での本の売却がするするとうまくいくようになってきたからです。 ブックオフで売却すると、特に古い本や人気のない…

死に深く魅入られた高校生が、殺人犯たちを追い詰める |『GOTH(夜の章・僕の章)』乙一

突然ですが、私、古典が好きです。 誤解を恐れずに言うと、時の洗礼を受けた作品をこなすだけで私の読書人生はもう十分だ、と時に思います。 しかし他方で、だとすると私が今に生きる意味は何なのかとか考えてしまう、と。また、子供を読書教信者にするべく…

筆者のひととなりがわかる、仙台愛にあふれた一冊 |『仙台ぐらし』伊坂幸太郎

50年近いこれまでの人生で、2日だけ、仙台に行ったことがあります。 遥か昔ですが、東北大学(院生として)に行きたくて、一日は指導教官(になって欲しい)の教授にテーマの面談、もう一日は入試で。 結局、一蹴、という感じで箸にも棒にもかからず不合格。…

私の想像していた青春高校生の姿!? |『か「」く「」し「」ご「」と「』住野よる

皆さん、高校野球見ていますか? この夏、息子の最後の甲子園予選は、堂々たる一回戦コールド負けでした。で、興味が湧いて、ふと見に行った神奈川県大会の準決勝@横浜スタジアム。これにあてられました。 汗、熱気、頑張り、涙。 試合を見ているだけで終盤…

ビジュアライズで記憶力・認知力アップ |『ザ・マインドマップ』トニー・ブザン、バリー・ブザン、訳:神田昌典

脳についての多くの神話がありますね。10%程度しか使っていないとか、一部が損傷したら他が代替して活動するとか。知らんけど。 事実はどうあれ、未知のパワーを秘めている、未開発の箇所があるという言説は、私ですと『うちの子はやればできるんです』的な…

ファシズムに進む日本の不穏さを描く |『魔王』伊坂幸太郎

東南アジアの果てで、本を読んでいて困ること。 それは本の処分です。 ドンドン増えていくし、売るって言っても古本屋はないし、重たいから日本に持って帰って売るのも、ねえ。 でもでも、私に万一のことがあったら妻が処分に困るだろうなと。日本の実家に国…

個人的には合わなかったけど、YA系が好きな方には良いかな? |『晴天の迷いクジラ』窪美澄

いやあ、最近「消費」しちゃっている感があるんです。 何を、というと、本・作品をです。 読書は好きですし、読んでみたい本は山ほどあるのです。 でも文学系・エンタメ系含め、私の標準読書スピードは概ね2日に一冊くらいでしょうか。仕事の本や健康関連の…

独白の裏に潜む、因縁と業 |『贖罪』湊かなえ

いやあ、日本は暑いですね。 皆様お変わりございませんでしょうか。 日本の夏は、すでに私の居所の東南アジアより遥かに暑いと思います(因みに私は居所では冷房使用ゼロです)。 確かに、冷房が無いと熱中症で倒れる可能性がありますし、本当に『死活問題』…

素直さと伸びやかな関西弁で描かれる恋愛 |『あおい』西加奈子

息子の甲子園予選を見てきました。 堂々たるコールド負けでした。この三年、親としてほとんど何もしてあげられませんでしたが、楽しそうに引退できたことが救いであります。 果たしてここからきちんと受験に切り替えできるのか。「そうなんですよ、そこなん…

上級者向けコンディショニング本 |『食べる時間でこんなに変わる時間栄養学入門』柴田重信

のっけから閑話休題。 外付けHDDが異常を来して、パソコン屋に持っていきました。状況を確認するだけで1万円程度、復旧には場合によって20万円とか高額になるかも、と。 そんなことは嫁から許されそうにないので、コード接続不良だけを確認するべく、コード…

西加奈子の描く悲恋 |『白いしるし』西加奈子

先日、とある海外のビーチリゾートに行ってきました。 ぱっと見では美しい浜辺ですが、波に洗われながら歩くと、気になるのは散乱したゴミ。 海辺ではペットボトルなどのプラスチック類はかねてから見かけていました。ただ今回は、不織布のマスクが散見され…

人気アナリストによるグローバル規制の解説書 |『バーゼルIIIは日本の金融機関をどう変えるか』藤田勉、野崎浩成

最近仕事の本をあまり読んでいませんでした。 ということで業務理解・復習を兼ねて再読しました。すこし古めですが。 ちなみにローマ数字って皆さんどのようにタイプされますか?日本語の全角だと文字化けしそうなので私はアルファベットでタイプします。I(…

未来志向の提言も聞きたい |『韓国人による嘘韓論』シンシアリー

もう初夏ですね、日本では。 実は息子が野球をやっています。今日は甲子園の東京予選のくじを引きに行っているそう。 思えば彼は野球運がなかった。常に一緒にやる仲間が少なかった。メンバー不足は、彼のチームを常に負ける方向へ追いやった。 小学校3年で…

静かに展開する「何か起きそう」感がイヤミスならでは |『豆の上で眠る』湊かなえ

こんにちは。 週末は義母がお泊りで居所に来ていました。遊びにくるというか、世話する人がいなくなるとスポットでうちが預かるという感じ。 80前で体は弱ってきていますが、別に介護というほどでもありません。 私は言葉が通じないからまあ楽なんでいいんで…

英語力も米国文化も理解が中途半端だと消化不良になるよ |『DILBERT AND THE WAY OF THE WEASEL』SCOTT ADAMS

皆様こんにちは。 今週は仕事が忙しかった・・・。というか、少し仕事の仕方を変えてみました。 同じ業務を8年もやると、「型」が定まります。で、普段その定型枠に沿って仕事をするのですが、たまに「はて、これは本当にいいのかな」「いったいこれはどうな…

充実の内容。とくに法律関係がまとまっていて良い |『世界一やさしいフリーランスの教科書一年生』高田ゲンキ

コロナ前後に会社を辞めてしまった家内。 今や、子どもたちも日本へ進学してしまい、どうも暇を持て余している様子。んが、もうおばさんだし、外で働きたくない(!)とおっしゃる。有閑マダムか!? ならばと、何か商売でもしないのか、と焚きつけています…

米国人女性による骨太な中世フランス料理歴史書 | 『味覚の歴史 フランスの食文化-中世から革命まで』バーバラ・ウィートン 訳:辻 美樹

年初に一時帰国した際に実家の本棚から持ち帰った積読本(20年弱!)です。 私事ですが、家内は結婚後退職し、どういうわけか調理師学校に通いだしました。おかげで私は専業主婦兼調理師というとっても贅沢な奥様と時を過ごせているのですが、そうした結婚前…

まずはサラリーマンから脱すること? |『年収一億円になる人は、「これ」しからやらない』上岡正明

ビジネス書。 色々文句を言うなら読まなきゃいいのに、っていうのがハウツー系ですよね。でも、どうです?一億ですよ、一億! 宝くじではなくて毎年一億円。しかもアラフィフになってまだ読んでんの?みたいな話ですが、やっぱお金、ほしいです(少なくとも…

リベラルアーツは新たな実学か?ただし条件付? |『自由になるための技術 リベラルアーツ』山口周

連休ですね。私の居所も、ラマダンが終わり、何のかのと祝日が続いておりましたが、そろそろ来週から通常営業になる模様です。 って気づいたらもう今年も4か月終了しているって、皆さんご存じでした?一年の1/3ですよ! 年初に立てた目標を見返し、ため息を…

鼻くその話に確かにと頷きました|『すっぴんは事件か?』姫野カオルコ

この本は自分のwish listの中に入っていて、そのインパクトある表紙が記憶にあり、ブックオフで廉価で見かけたときにすかさず買ったものです。 ただ、どういうわけでwish listに入れたのか覚えていない。本作の前後にリストにあったのは椎名誠さんの『わしら…

その明るさがロシア文学っぽくない!?|『イワン・デニーソヴィチの一日』ソルジェニーツィン 訳:木村浩

ほんの4カ月前に購入した本ですが、どうして買ったのか忘れてしまいました。 実際は『収容所群島』が読みたかったものの、手ごろな価格のものがなかったため、本作『イワン・デニーソヴィチの一日』を購入したことは覚えているんです。でも何に触発されたの…

長崎の傑物、女商人大浦慶を骨太に描く | 『グッドバイ』朝井まかて

いつの間にか4月ですね。 一昨日、下の子の高校の入学式に参加してきました。ここから7年間の学費のピークに対し、馬車馬のごとく歯を食いしばって金を稼がねば、と決意を新たにしました。 当初子どもたちは公立高校に入ってもらう予定でしたが、両親が海外…

予防的配慮に富んだ脳梗塞本 |『読みやすい、わかりやすい 脳梗塞 35の重要ポイント』森本将史

ごめん、今回も飛ばしてください 先日もまた軽い発作?がありまして。 夕方のジョギングから帰ってきたのですが、どうも体がだるい。一旦トイレに座り込むと明らかに右手の力の入り具合がおかしい。若干酔ったときのような感覚の鈍り。ただし歩けないわけで…

幕末長崎のおんなたちの儚い一生を色鮮やかに描く人間ドラマ |『ふぉん・しいほるとの娘』吉村昭

「シーボルトの娘は日本で初めて女性で医者となった人物」 遠い過去、高校の日本史でシーボルトなる人物を習ったことは覚えています。でもそれがどういう経緯で日本に関わったのかはすっかり忘れておりました。 また、どこで読んだか忘れましたが、とある記…

文体からにじむユーモアと鋭さ|『やがて哀しき外国語』村上春樹

長崎に旅行で来ています。残念ながら雨模様の天気なのですが、それでもやはり日本はいいですね。海外とは比べ物にならないサービスの良いLCC、田舎に行っても便利で正確な公共交通機関、芯から温まる温泉、そして何より多彩なローカルの食べ物! 来週も仕事…

長崎のカステラから垣間見るぶっとび父ちゃんの歴史|『かすてぃら』さだまさし

私事で恐縮ですが、来週長崎に家族で旅行に行こうと考えています。 一家の人柱を自認している私は、各種予約、旅程表作成も自分の仕事と理解しております。そして最後の仕事は、旅行先が舞台になっている小説をチョイスand読むということ。 うーむ。長崎が舞…

自分の「好き・得意」を中心に自己分析。ただ、社会の変化は速いぞ |『ライフピボット』黒田悠介

日本では今週に入りぐっと暖かくなってきましたね。近所の川べりの桜の数本は慌てて少し咲き始めました。 海外に居所をもってはや9年目ですが、ことしはそれ以来のお花見が出来そうです。 会社に縛られる時代の終焉。じゃあなにする? 起業や副業・複業。 こ…

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