海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

個別事象の上達本ではないのでやや難あり。中級以上のかたは参考になるかも―『上達の法則』著:岡本浩一

皆さんは上達したいものありますか。 運動、趣味に、英語。どれも上達したいですね。 でも私の場合、一番上達したいものは仕事です。 少しでも効率的に仕事をしてとっとと家に帰りたい。少しでも今の業界や業務の流れを理解し、くそ偉そうで人の話を聞かない…

支配者の巧妙な欺瞞を寓話で描く―『ANIAML FARM』著:GEORGE ORWELL

本作、言わずと知れたディストピアもの。作者の代表作『1984』と共に20世紀を代表する小説であると言っても過言ではないと思います。 人間の横暴を止め、動物の世界を立ち上げるべく反旗を翻した農場の動物。農場での獣による支配を確立し、人間を忌み嫌い、…

フランス近代美術の巨匠たちの姿を間接的に描く―『ジヴェルニーの食卓』著:原田マハ

本作で原田氏の作品は二作目。相変わらず美しく、内容も美術に関するもの。西洋近代美術に興味がある方はその背景を学ぶ上でも非常に参考になると思います。 概要と感想 本作は4作の短編からなっています。それぞれが画家についての話ではあるもの、あくまで…

挫折した本です。もう備忘のためだけに。―『子どもの本の歴史 英語圏の児童文学』著:J.R.タウンゼンド 訳:高杉一郎

子どもの本の歴史―英語圏の児童文学 (上) 作者:ジョン・ロウ タウンゼンド,一郎, 高杉 発売日: 1982/01/18 メディア: 単行本 子どもの本の歴史―英語圏の児童文学 (下) 作者:J.R.タウンゼンド,一郎, 高杉 発売日: 1982/02/22 メディア: 単行本 文字通りです。…

自分を回復する物語―『図書館の神様.』著:瀬尾まいこ

今回もやられた。何しろ出だしが『清。私の名前だ。』とこう来た。 え、誰?男、女?振り仮名はキヨって書いてあるけど、キヨシじゃないだろうなあ・・・などとページを手繰るスピードが加速します。 『幸福な食卓』でもそうでしたが、「つかみ」が本当にお…

ローマ史大家の名著で修行のような読書を楽しむ―『新訳 ローマ帝国衰亡史』著:エドワード・ギボン 訳:中倉玄喜

まさに修行のような読書でした笑。 500ページに迫る大著。洞察にあふれる記述に驚きの声をあげることもある一方、ややもすればダラダラと続く人物描写が眠気を大いに誘う事もありました。毎日70ページとして1週間でスケジューリングするも果たせず、途中でリ…

英国児童文学作家の自伝。古き英国の学生生活や悲惨な第二次世界大戦の様子を描く―『BOY AND GOING SOLO』著:ROALD DAHL

作品について イギリスの児童文学作家ロアルド・ダール氏の自伝。 幅3cm程度の分厚い洋書で二部構成。前編『BOY』では祖父や父らの思い出から始まり学生時代の懐古、高校卒業後Shell石油へ入社しアフリカへ赴任する辺りまでが語られます。後編『GOING SOLO』…

絶品エンターテイメント小説!―『ドミノ』著:恩田陸

面白かったです。ふつうに。 この前まで恩田氏は青春系のティーンズ小説の作家と勘違いしていましたが、昨年あたりから、色々な作風を出せる作家であると改めて実感していました。そして本作は、絶品のエンターテイメント作品。登場人物が28人(匹?)も出て…

死の色が濃い。小学生向けではないかも!?―『銀河鉄道の夜』著:宮沢賢治

日本語の拙い中学生の娘用に購入しました。以前、『注文の多い料理店』を読み、所収されている作品には自然との一体感が描かれており感銘を受け、面白かったからです。 本作『銀河鉄道の夜』は寧ろファンタジー系中心の作品で、個人的にはとっつきづらかった…

がん患者が自己決定権を失わないための啓蒙書―『抗がん剤だけはやめなさい』著:近藤誠

プライベートな話ですみません。祖母は乳がん、祖父は皮膚がんの末に亡くなりました。母も乳がんを経験し、父は胃がんで胃の2/3を切除。自分は左の耳下腺(耳の下に位置する唾を出す器官)に腫瘤ができて耳下腺ごと切除しました(30歳ちょいすぎで)。 国立…

偏見から逃れ、お金の自己決定を行うための一冊―『知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語』著:橘玲

お金の仕組みに異様に詳しい橘玲氏によるお金のショートエッセイ集。元々は日本経済新聞日曜日版の週刊エッセーをまとめたもの。 橘氏と言えば金の話です かつて証券会社で働いていた時にFPというお金にまつわる資格を取りました。金融はもちろん、保険、税…

私には合いませんでした。―『なぜ国家は滅亡するのか』著:中西輝政

端的に言うと、うーむ、残念。という一言。 本作は、佐藤優氏と手嶋雄一氏の対談で言及されていて興味を持ったと記憶しています。 lifewithbooks.hateblo.jp 現実世界を取り巻くパワーバランスは米国中心。彼の国がどうなるのか、中国はどうか、インドだって…

官僚はこう考える。例えば金融行政なら。―『金融システムを考える ひとつの行政現場から』著:大森泰人

これまで幸か不幸か知り合いに官僚になった人がいなかった。唯一就活時に知り合った東大君とは、ともにアセットマネジメント会社の試験を受けた。私は最終面接で役員に絡まれ落ちた。リクルートスーツにリュックにスニーカで来ていた彼は、面接の感触など一…

ブルボン王朝は性欲ダダ漏れ?の印象(歴史のほんの一側面だけど)―『ブルボン朝 フランス王朝史3』著:佐藤賢一

概要 フランス史のなかでも、ブルボン王政時の歴史を人物中心に濃ゆく濃ゆく描写しています。ビギナー向けの新書というより、あくまでフランス勉強したい方、フランスマニア等に勧めの作品。 なお本作は3巻シリーズの最終作ですが、単体でもきちんと読める形…

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