海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

田中角栄についての資料的価値の高いドキュメンタリ作品―『決定版 私の田中角栄日記』著:佐藤昭子

本の概要 昭和最大の疑獄事案であったロッキード事件で逮捕された田中角栄氏。その秘書を長年に渡り務めた佐藤昭子氏によるドキュメンタリ的作品。自らの日記を紐解きつつ稀代の政治家であった田中角栄氏の素顔を浮かび上がらせる。 感想 当初はロッキード事…

お金ノウハウ小ネタ集(古いけどなかなか骨太)―『得する生活 お金持ちになる人の考え方』著:橘玲

本の概要 士業の肩書がない(と思います)のに異様な位お金と法律に詳しい橘氏の実践的作品。『マネーロンダリング』といった金融小説作品もあるが、今回はノンフィクションで知識を披露。ちなみにWikipediaによると氏は元『宝島30』(すでに廃刊となりまし…

息子「相当エロかったよ。」 オヤジ「まあ、そうかもね」―『ダイイングアイ』著:東野圭吾

概要 バーテンダーの雨村は、ある日勤務後の深夜に何者かに襲われる。そのショックにより過去の記憶を失う。失われた記憶は、自分が起こした交通事故のことであった。その後忽然と現れた謎の女性瑠璃子に溺れつつ、雨村は自分の過去の記憶を取り戻していく。…

米国が操る日本、乗っかる政治家・裁判所・マスコミ―『冤罪 田中角栄とロッキード事件の真相』著:石井一

本の概要 ロッキード事件で日本の政治の表舞台から去ることを余儀なくされた、元内閣総理大臣 田中角栄。希代の天才政治家であった田中は本当に悪かったのか?実際の罪状はどのようであったのか?否、田中は米国に、そして仲間のやっかみによって葬られたの…

一緒に居るだけが友達ではない!―『きみの友だち』著:重松清

本の概要 交通事故で松葉杖なしに歩けない恵美と病気がちな由香。人気者のブンのもとに現れるデキメンのモト。彼らの周囲で変化する人間関係。ちょっとしたことで友人が友人でなくなり、相手を完膚なきまでに叩き潰す残酷さ。人間の弱さを優しく描くとともに…

バブル崩壊と銀行再編の歴史を当事者の証言を交えて再構築する―『ドキュメント銀行 金融再編の20年史 1995-2015』著:前田裕之

本の概要 日本経済新聞社編集委員の前田氏による、金融業界再編の20年史をまとめた力作。報道で伝えられた事実にとどまらず、当時の銀行トップの考え・思い、監督省庁の方針や狙い、さらに当時の時代背景や政治家の意向にまで言及。まとまりや咀嚼具合が絶妙…

リズム感のある童話作品。大人にこそ読んでほしい―『注文の多い料理店』著:宮沢賢治

本の概要 岩手県出身の詩人・童話作家、宮沢賢治。37才で逝去するも、死後作品が知られるようになり、現在は国民的作家として位置づけられる。本作品では、東北の方言を重用、自然を擬人的に取り扱い自然と人間との調和的世界観が色濃く出ている。 感想 海外…

達人とは才能ではなく、鍛錬の累積時間量で作られる!―『究極の鍛錬』著:ジョフ・コルヴァン

本の概要 米「フォーチュン」誌主幹のコルヴァン氏によるハイパフォーマーに関するジャーナリスティックな作品。芸術家やスポーツ選手などを例に才能ではなく厳しい鍛錬の累積経験量こそがハイパフォーマーを作ることを実証、このスキームをビジネスの世界に…

4人の決して交われない人々(現象学的にも読める)―『窓の魚』著:西加奈子

本の概要 二つのカップル、ナツとアキオ、そしてハルナとトウヤマが共に温泉へ出かける。そこで起きる事件とは。個性の全く異なる四人が、それぞれの視点から温泉宿での出来事を描く。作者の西加奈子氏は2015年『サラバ!』で直木賞を受賞 感想 西加奈子氏に…

元外交官による国際政治の読み方。でも一般的には陰謀論か―『国難への正体 世界最終戦争へのカウントダウン』著:馬渕睦夫

本の概要 元ウクライナ大使の馬渕氏によるグローバリズムへの警鐘とその背後の存在を明らかにする意欲作。プレジンスキー(政治学者、カーター政権の大統領補佐官、ユダヤ人)、キッシンジャー(政治学者、ニクソン・フォード両政権で指揮、ユダヤ人)、グリ…

肉食が避けられなかったのは欧州の貧しさが原因!?―『肉食の思想』著:鯖田豊之

本の概要 豚やウサギを丸ごと食べるヨーロッパ人が、クジラを食べる日本人をして動物虐待という。このような自家撞着に見える生命観の在り方・考え方の原因を、ヨーロッパの歴史とそこで育まれた文化から読み解く。著者は京都府立大名誉教授で西洋史が専門で…

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