皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
いやあ、年内にポストしようと思いましたが、無念、時間が足りませんでした。
わたし的2024年の最もよく撮れた写真。トスカーナの田園と朝靄(本文とは関係ありません笑)
さて。
そうこうする間に、本ブログも何と満5年を迎えることが出来ました。有難うございます。
相変わらず、読み散らかし、ジャンル不統一、自分の忘録中心、文章力向上せず、語彙も不足、レトリックなどは言うに及ばず。唯々低頭するばかりであります。
文章のヘタさについては、直したいとは思って自分のTO-DOリストにはあるのですが、プライオリティが低くて結局手につきませんでした(これを世に言い訳と謂いますが)。
まあ戯言はほどほどに、以下コンテンツにうつりたく思います。
0. 2024年の読書は150冊
昨年も書いたのですが、私にとって読書は、自分の状況を切り開く「相棒」「師匠」のような存在です。キャリア、仕事術、教育資金・老後資金の作り方、健康維持とコンディショニング、そして種々の知的好奇心への手引き、等々です。
2024年は当方の体調不良や入院などがあり、てっきり逝ってしまうつもりであったこともあり、150冊も読んだものの、文芸関連が96冊強と、もう娯楽のような読書が大半でした。歴史関連が15冊、仕事関連が18冊、英語の本が別途10冊と、このあたりにまだ成長への意志を微弱に感じます。
ただ、常に念じているのが「ケータイもつなら読書」。
そのふとした時間の浪費をなくしたい。だったら娯楽でも活字に溺れたい。冊数から察するに、多分集中していない時間が多かったという事でしょうか!? でもやっぱり日本の文芸書は面白いです。日本人でよかったと本当に思います。
そんなこんなの2024年の読書ですが、以下8つのトピックにて振り返ります。
1. 伊坂幸太郎作品、読み直しシリーズ
実は2023年は伊坂幸太郎を17作品も読んだそうです。よくやるねえ。
もうここまで来ると今年は読み直しではなくて新たに読んだ本が多いのですが、継続案件なので一応このタイトルにて。
で今年2024年は伊坂作品を12作品読みました。
そのほとんどは2010年代とすこし前の作品。初期の痛快・奇想天外な風合いから、やや内向的な、考えさせる作風が多かったに思います。
でも私は所謂第二期以降の伊坂作品の方が好きかもしれません。こう、何というか、人生って面白いだけじゃないし、人生も転変するもんだし、そういう意味で第二期以降の方が主人公の苦境は「分かるかも」「あるかもしれない」と感情移入できたように思います。
そんな中、今年読んだ伊坂作品12作のうちでもっとも印象的なのは『夜の国のクーパー』と『首折り男のための協奏曲』であったと思います。
『夜の国~』はちょっとファンタジー・サーガ系のテイストが新鮮な作品でした。
中世的ファンタジー世界に異世界ワープ?してきたのは妻に浮気され、勢いで家を出てきた男。異世界に迷い込むと、猫と話せるようになっていた。その後異世界の救世主となる主人公ですが、現実世界ではみじめな彼が『居るだけで』他人の役に立つという展開は筆者のメッセージを暗示しているかも!?とか思ったり。
『首折り男~』も連作の妙もありますが、心優しき殺人者とでもいうoxymoron的キャラが良かったす。しかも、この殺人者亡きあと、そのそっくりさん(いじめられっ子)がその「役」を踏襲するという展開も好き。
会社でも全く認められない私ですが、何かこう、元気をもらえた気がします。
年を追うごとに深みや含意が増しているのに、ユーモアは従来通り、そのような伊坂作品に浸かった一年でありました。
lifewithbooks.hateblo.jp
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今年読んだ伊坂作品の一覧:
『アイネクライネナハトムジーク』『フーガはユーガ』『首折り男のための協奏曲』『火星に住むつもりかい?』『SOSの猿』『フィッシュストーリー』『陽気なギャングは三つ数えろ』『夜の国のクーバー』『陽気なギャングの日常と襲撃』『陽気なギャングが地球を回す』『ジャイロスコープ』『PK』
2. 村上春樹作品、読み直しシリーズ
実家の本棚に残っている本を処分しようとしたところから始まったこのシリーズ。
私、結構断捨離には躊躇しないのですが、その私にあって結構残っていたのが村上作品。きっとスかした感じなのにモテる主人公みたいなのに憧れていたのかもしれません。
こちらも二作品書いておきたいと思います。
先ずは『国境の南、太陽の西』。
当作については一言、『奥さん本当にそれでいいんですか?』ということ。
本作の「僕」は自営業でバーを多店舗経営し、奥さんと子どもに恵まれ(そもそもお店だって奥さん側の実家のサポートがあって持てたものだ)、それなのに昔の初恋の人と浮気して家庭を滅茶滅茶にしてしまう。物語終盤で奥さんからお許しを頂くのだが、勝手にこの家庭のその後を心配してしまう。
現実を振り返る。40代にもなると、数少ない友人にも離婚家庭を見るようになります。本人たちの意見をどこまで鵜呑みにすればよいか分かりませんが、彼らの子どもは否応なく環境の変化に直面します。
人というものは一人では生きていけません。自分らしく生きる、人に迷惑をかけずに生きる、とは言いますが、生きているだけで大小様々な影響を周囲に与えています。
そういう視点から本作を読み、上記のような感想を持った自分に、改めて大人になったなあと感じました。
もう一作は『ねじまき鳥クロニクル』ですかね。
おっさんになってから世界史を勉強しましたが、ノモンハン事件などを薄っすらでも分かってから読むとより作品の深みを味わえると思います。
不思議な運命論的村上ワールド的展開に、戦争という残酷な運命、巻き込まれてしまった不条理、みたいなエッセンスをより感じ取れるようになったとおもいます。
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今年読んだ村上作品の一覧:
『ダンス・ダンス・ダンス』『国境の南、太陽の西』『カンガルー日和』『ノルウェイの森』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』
私ですね、本当にメールが嫌いなんです。ちなみにメールより嫌いなのがTeams。インスタント・メッセンジャーなんかが導入されたおかげで仕事中に気軽に邪魔されるようになったと思いませんか?
・・・それはいいとして、メールです。皆さん一日あたり二桁の量はメールを打つと思います。これをどうにか手数少なく完結させたいと思って読んだ本作。
エクセルのショートカットは相応に覚えましたが、アウトルックは未踏のフロンティアでした。
本作読後はかなりメーラー使用の時間効率が上がったと思います。たまにショートカット使い過ぎて自分に酔っている自分がいます。危険。
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本作は、米国におけるアジア+白人のミックスカップル家庭での不幸を描きます。
子どもの死亡(実際は自殺)をきっかけに壊れてゆく家庭の描かれ方は、国際結婚をした私としては他人事ではないと感じつつ読了。
社会で「異邦人」として生きている方には是非読んで欲しい一作。
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こちらは2008年のMan Booker Prizeの受賞作品。
インドの「起業家」が中国のおエラいさんへメールを綴りつつ、自らの殺人を独白するという設定。
すこーしおかしい英語や間投詞(Ha!みたいなの)が多用され、いかにもインド人英語っぽい作為的チープさも良かった。
そして何より、独白から垣間見えるインドの階級社会とその変化、暴力的とも言えるダイナミズムみたいなものが描かれていて面白かった。
日本語訳も出ているらしいですし、Netflixで映像化もされているとのこと。悲しいくらいの人間の不平等、生まれの違いの差異に思いを馳せられるとすれば手にとってもよい作品。
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村田さんの2016年の作品。155回芥川賞受賞作品。
今更かよっていうセレクションですが、ようやく古本で手頃な値段になったことで読むことが出来ました。
本作で感じるのは、これでもかというくらいの社会での生きづらさ、不適応感、じゃないでしょうか。
コンビニ店員18年、彼氏なし、結婚歴なし、なんて今となっては取りたてて珍しいようなプロファイルでもないのですが、作品で描かれる主人公はその社会での「ズレ」とその違和感が見事に絵かがれていると思います。
生きづらい社会で心を殺して生き抜こうとするかのような主人公≒作者?と勘繰りつつ、どうか今後も新たな作品を村田氏に書いていただきたいと願っております。
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7. まんまことシリーズ
世に歴史を語り出すとおじさんだと謂いますが、更に時代ものが好みになりますと、もうこれは真性のおじさん。
まあ、年齢的におじさんで構わないのですが(むしろおじいさん、でもいいくらい)、この畠中恵氏の時代物小説を試しに読んだら実に面白かった!
主人公麻之助はだらけた人物像を装いつつ、心に想うものありっていう状況を、ユーモラスに描く本作との出会いはヒットでした。
畠中氏の作品で値ごろ感が出ているものは今後購入してゆきたいと思います。
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8. 新旧聖書、全章読破作戦
これももう苦行に近い。
西洋文化を理解するにはこれだ、とぼんやり思い立ち実行しましたが、なかなか終わらない涙
旧約のモーセ五書は終わりましたが、それからも長い長い。2025年も引き続き旧約を読み続けます。旧約が終わったら新約に進みますが、実は新約が終わったらシェークスピア読破作戦に続きたいと思っています。
まあ、息長く進めてゆきたいと思います。
本年読破した旧約聖書の章は以下(だらだらリンク、ゴメンなさい):
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おわりに
ということで2024年の読書、8つの切り口で振り返りました。
2025年はもう少し自己研鑽、修養みたいな観点から読書をしたいと考えております。
では皆様、良いお年をお迎えください。