皆さん、こんにちは。
今年は下の子の卒入学、子ども達(日本の居所)の引っ越し等々あり、非常にバタバタしております。仕事は仕事で駐在諸氏が一気に1/3程入れ替えになる非常事態で、いまも新上司・そのまた上の上司(これまた本年より)への対応等もありバタバタが続いています。
で、金融業界に居るものですから、おさらいも兼ねて金融関連の書籍を読むようにしていたのですが、なななんと今年はこの手の本を初めて手に取ることに今更気づきました。
UdemyなどでAI, DX, はたまたBIのコースなどテクニカルなものは結構見ているのですが、なぜ今の体制があるのかという骨太な話はやはり本でジックリ、しかもきちんと積み重ねないとだめだなあと今更ながら感じた次第です。
ということで本題です。
金融史だけど
本作、確かに金融の世界史、金融史ですが、なかなか「クセ」があります。「クセ」というより、特徴といった方がよいでしょうか。
それが副題にある、貨幣、信用、証券です。
個人的にはとりわけ貨幣、信用について非常に詳しい、と感じました。
外貨為替のアービトラージ
では、貨幣や信用って? となりますよね。
具体的には紙幣の信用についてです。ただの紙切れがどうしてお金として流通できているのか、という話。
ここで少し逸れるのですが、本作は11章+補章の12章で構成されています。そして初めの9章は国ごとの金融史で、しかもちょっとマイナーな国が取り上げられているのが特徴です。帝政ロシア、アルゼンチン、中国などです。もちろん英国、米国、フランス、日本などは押さえています。
こうして国ごとの金融史を見ていくとまずもって目につくのが金本位制。
発行紙幣につき金と兌換できるということで紙幣に信用を持たせるということですね。これを米国も英国も、そして日本もやるわけです。あるいは中国だと銀本位で銀との兌換であったと。
ここに現代の為替取引の萌芽が見られると思います。
アルゼンチンの金兌換と英国の金兌換がことなり、より多く金に交換できる通貨を買い金にしてしまおうというアービトラージがおきるはずです。というか当然そうなり、日本からは金が大量流出。
二度の世界大戦を経て結局金本位も銀本位もなくなり、世界はドル本位となったわけですが、今でも各国が外貨準備金の残高を発表したりしますが、これもドル単位で発表されますし、おそらくはドル準備金なのでしょうね。
こうした貨幣の成り立ちやそのバランスの妙のようなものが非常に面白いと思った次第です。(大分はしょって書いていますが、FX取引に興味がある人はその端緒がここにあると思っていただいてよいでしょう)
ほかにも
そのほか、個人的に興味がある世界大恐慌の話はちょっと分かりづらかったです。また証券についての話もあるにはあったのですが、これは他に面白いものが多いと思いました。
おわりに
ということで、金融史、とりわけ近代貨幣史につよい作品でした。
非メジャー国の金融史も特徴的でさらに参考文献も掲示し、ガイダンスもばっちりな本だったと思います。
評価 ☆☆☆
2026/07/15







