海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

奇怪な現象も消えた。憧れのお姉さんも消えた。 |『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦

小学四年生のアオヤマ君 小学四年生だったころ、自分は何を考えていたか。 ポテチが食べたい、アイスとか買い食いしたい、給食で友人を笑わせて牛乳吹かせたい、野球でホームランを打ってみたい。 そう、つまりは普通の、それも極めて普通の小学生。 しかし…

介護の声掛け、事始め |『認知症の人にラク伝わる言いかえフレーズ』佐藤眞一、島影真奈美

皆さん、こんにちは。 独り言ですが、どうやら今後年に3、4回、各一か月くらいの長さで一時帰国をするようになりそうです。 実は、私が勤める会社では自宅勤務が週二日できるという内部制度になっています。ただ結構緩い制度なので拠点長がOKを言えば(加…

軽妙で肩の凝らない作品。ちょっとシュールな村上テイストも健在 |『カンガルー日和』村上春樹

皆さんこんにちは。 仕事がにわかに忙しくなり、読書はしているものの、備忘録がつけられぬ状況です。 本書も、一週間前に読了したもの。 より短く、端的に記録する、というのもで良いのかもしれませんね。 はじめに 村上春樹氏の短編小説。1983年出版なので…

美少年ダビデの成り上がり的ストーリーが印象的。でもオイタでつまづくってねぇ。 |旧約聖書 サムエル記 『聖書 新共同訳』

はじめに サムエル記は、サムエルという預言者が概ねカバーした時代のお話です。 これまでユダヤの民は政教分離、というよりも、『教』しかなかったところに、『政』が持ち込まれます。つまり、民が王を持ちたい言いだしたのです。 その結果、サウル王、つい…

東洋哲学も勉強したいな、とつらつら思わせる佳作 |『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』著:マイケル・ピュエット&クリスティーン・グロス=ロー、訳:熊谷淳子

タイトルがいいのか悪いのか 結論から言うと、なかなか良かった。 こういってしまうのも少し癪なのです。というのは、『ハーバード式』『スタンフォード式』『成功者が実践する~』などというタイトルが個人的には大嫌いだからです。 ではなぜ買ったか。 東…

生まれ変わりの神秘?恩田氏の初期作品は心なしか、初々しく癖の薄い作品 |『不安な童話』恩田陸

皆さんこんにちは。 忙しくてバタバタしておりました。そして読んだ本も記録をつけずにほったらかし。危うく忘れるところでした。 はじめに 本作、恩田氏の極々初期の作品。1992年が彼女のデビューの年で、本作は1994年のもの。 初期のころから恩田氏のごっ…

タイトル通りの本です |『地域金融機関の経営・収益管理』編著:谷守正行

私の仕事 私の会社での仕事というと、所謂数字のとりまとめみたいな仕事。 財務会計のデータを勘定系システムから引っ張ってきて、諸々手補正(インセンティブデータやフロント部署の収益分け)などをして再まとめをする、みたいな感じ。 別に難しくもなくバ…

異人種家族の困難と悲劇を淡々と描く佳作 |『EVERYTHING I NEVER TOLD YOU』CELESTE NG

皆さんこんにちは。 本日Amazonから一通のメールが来ました。曰く、「あなたのレビューはコードに抵触しました。なので今までのレビューは全消し。そしてこの判定はくつがえりません」。 突然なのでちょっと驚きました。ちょっと残念。でも、ある意味Amazon…

孤児院出身の二人の異なる人生。 |『境遇』湊かなえ

ここ数カ月、野球の先発投手よろしく自分の読書にローテーションが出来つつあるのを感じます。 伊坂幸太郎、村上春樹、恩田陸、湊かなえ、西加奈子、の諸氏。このあたりがローテーションの柱。次の候補として呼び名が上がるのが塩野七生、中村文則、白石一文…

さっぱり平明、読みやすくて面白い! |『むかしのはなし』三浦しをん

皆さん、こんにちは。 日本は暑いようですが、皆さんお変わりありませんでしょうか。 暑いというと、熱い甲子園予選。とうとう始まりましたね。 便利な世の中になったもので、今や予選からネットで中継で(しかもタダで)見られる時代となりました。 昨年最…

やっぱり面白い伊坂作品。珍しい中篇集も流石の展開に即没入 |『フィッシュストーリー』伊坂幸太郎

皆さんこんにちは。 個人的伊坂幸太郎フェアも終盤を迎えつつあります。何とこれで通算25作目の読了。その中でも未読であった本作。 フィッシュストーリー、と聞いて、サメ脳の私は当然、魚の話かと思いました。まあ結果違ったわけですが。 でも、期待通りの…

管理会計のカバレッジを詳述。計数担当におすすめ。 |『基本も実務もこれ一冊で! 管理会計本格入門』駒井伸俊

なかなか良かったと思います。 私は会社では計数担当と呼ばれていますが、自身ではいわゆる管理会計の担当と考えています。 大き目の金融機関の、とはいえ海外の辺境にいるので、基本的には東京の本部や地域本部(アジアのリージョナルヘッドはシンガポール…

実験的作風の短編が多いも、中村氏のエロ・ノワール?が光る |『A』中村文則

皆さん、こんにちは。 ブログを書く方にとってしばしあると思われること。 「書くのが面倒くさい」 いま、それです。 私のブログはそもそも書籍の感想を綴るもの。ベクトルは外に向いているようでむしろ自己に向いているのに、それでも心が、ああメンドクサ…

暗い将来しか見えん | 『未来の年表』河合雅司

皆さん、こんにちは。 将来の見込み・予想。たまにしますね。まあ私の場合大概外れますが笑 思えば大学時代の1990年後半、私は日本に対して大幅にネガティブ予想をしていました。 二つ上の先輩が「俺も来春からは金融マンだ、はっはっは」と山一證券への内定…

西さんの、ことこと、もぐもぐなエッセイ |『ごはんぐるり』西加奈子

皆さん、こんにちは。 ガールズトークで、ああいう男と付き合えるかどうかって話、することあると思います。 身長低いのはダメ、とか、鼻毛が伸びてるのだけはもう許せないとか。 当然ながら脳みその6割くらい(それ以上?)を占めると思われる若き男子たち…

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