海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ただただ、米国ダメ系の人生をアルコールとともに見つめる |『アメリカ死にかけ物語』リン・ディン、訳:小澤身和子

皆さん、こんにちは。 本書のタイトル、インパクトありますよね。死にかけって…。 ちなみに原題は Postcards from the End of America. 「End」の思い切りのよい意訳がすごい。 ちなみに、かなり面白かったです。おすすめ。 光輝き、闇も深い国、アメリカ 米…

自分の至らなさが身につまされる本 |『上司の壁』白戸三四郎

ここ一、二カ月、部下育成関連の本を読んでいます。 で、かなり食傷気味になりつつあります。というのも、「お前がまずしっかりせいや」と、上司の心構え・心持ち・態度・対応を諫める書籍にしか出会っていないからです。 改めて感じましたが、全部出来たら…

「僕」の妻「有紀子」はその後どうなるのか・・・ |『国境の南、太陽の西』村上春樹

皆さん、こんにちは。 昨年から伊坂幸太郎読み直しフェアを勝手に開催しておりました。で、昨年と今年で結構読んだんですね。中古で廉価で買えるものについては概ね読み、いくつか残ったものを惜しみながら指折り読んでいくという感じ。 今年はもう一つ、同…

内容は基本をしっかり押さえ、広角に将来を見渡す。 |『相続は怖い』天野隆

はじめに 名前がちょっと「釣り」っぽいですね。 このタイトルは、正確には「何も知らないと」「何も準備しないと」、という従属節がついて初めて意味が通るものかとは思います 内容について 章立てはシンプルで以下の通り。 序章:役所は何も言わずにあなた…

超能力夫婦の裏に潜む秘密の正体。絶妙のストーリーテリング。 |『エンド・ゲーム 常野物語』恩田陸

はじめに 常野物語の第三弾。タイトルを見ると、シリーズもこれで終わりか、と思わせますが、その真偽たるや如何に!? あらすじ で内容ですが、今回はどちらかというとモダンホラー的な風合い。 「私たち、誰かに狙われている?」「あいつらが出てきたら、…

イスラエルの民、約束の地へ |旧約聖書 ヨシュア記 『聖書 新共同訳』

皆さんこんにちは。 実はですが、今春から大学生の息子は、縁あってキリスト教系の高校に行っていました。授業でキリスト教概論というコマがあったからか、この前みたら彼の本棚に聖書が鎮座しておりました。勉強嫌いな彼は「聖書?いらない、ってか捨てるつ…

華のない大学生活に乾杯!失恋?そういうもんです! |『太陽の塔』森見登美彦

皆さん、こんにちは。 認知症がすすみ、食欲が半端ではなくなった父。起きている間、殆ど口を動かしているのではないかというくらい。 この数カ月、私と妻がいたので、子どもたちを合わせて6人分の食事と後片付けは別に何ともない話でした。 この先、料理下…

相手の真意を知る、人間力爆上げの会話テク |『できる上司は会話が9割』林健太郎

皆さん、こんにちは。 引き続き部下をどうやって自律的で探求心あふれる私のような(!)ビジネスパーソンに仕立てるかのヒントを得るべく、本書を手に取りました。 ただ、最近、50を前にして1000問の自己分析を絶賛断行中で、自分の切れやすさ・感情的な性…

おおらかなルネサンス期のイタリア。でも不貞は見つかると死刑だよ |『愛の年代記』塩野七生

皆さん、こんにちは。 今年は日本へ一時帰国するというのもあり、「よし、塩野氏のローマ人の物語を大人買いして読破してみるか!?」と思いつつの帰国。ところが手術だなんだとバタバタしている間に時は過ぎ、途中まで買った本(20巻くらいまで?)は積読本…

死を前にして、あなたは何を思うか |『WEHN BREATH BECOMES AIR』PAUL KALANITHI

うちの娘の高校入試(帰国)でのこと。 英語インタビューで、「最近読んだ印象的な本は?」と聞かれ、挙げたのが本書とか。どや顔でリコメンドしたそうです。曰く「5回は繰り返し読んだ」そう。 その後、私のスピーチクラブで他のメンバー(三十代)が本書に…

発達心理学のビジネス応用版 |『なぜ部下とうまくいかないのか』加藤洋平

皆さん、こんにちは。 昨年うっかりできてしまった部下、しかも知り合いを採用したのですが、思ったより仕事が出来ず、なかなかにイライラします。大抵毎日キれています(天に唾するかの所業ですが…)。 ここ三カ月ほどリモートで仕事をしているため、更に連…

「要は」を提供できる良書。本当の教科書とセットでどうぞ |『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』山﨑圭一

皆さん、こんにちは。 だらだらと続けている一時帰国も(入院が目的ではありましたが)そろそろ終わりとなります。来週にはやっと居所に戻れることになりました。 さて、今回は母の積読文庫より本書を拝借。看板にやや誇張があるように思えましたが(笑)な…

狂気の淵に光る理性の綱渡り。そのまま生きよ。 |『何もかもが憂鬱な夜に』中村文則

中村氏の作品はこれで四作目。約三カ月ぶりの再見となります。 氏の作品はノワールで陰鬱な作風が特徴ですが、これまで読んだ「掏摸」「王国」「去年の冬、きみと別れ」と比較しても本作「何もかもが憂鬱な夜に」は、まあ暗いこと。 ただ、いろんな意味で結…

マクロの解説はなかなか珍しい |『Outlook ビジネスメール効率化&自動化の教科書』伊賀上真左彦

皆さん、こんにちは。 ひと月に2冊程度を目標に、自分の業務の効率化につながるような書籍を読む努力をしています。 これは、業界知識や関連業法の確認であったり、昨年うっかりできてしまった部下の育て方だったり、あるいは今回取り上げるようなテクニカル…

モーセ、約束の地を前に死す |『七十人訳ギリシア語聖書』申命記、訳:秦剛平

はじめに モーセ五書を順々に読み進めてきて、これが最後の申命記。 創世記、出エジプト記は内容に動き・アクションがあったものの、レビ記、民数記はルール集っぽくて少し冗長でつまらない印象でした。 そして本申命記は、半分アクション・半分ルール集の折…

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