皆さん、こんにちは。
ガールズトークで、ああいう男と付き合えるかどうかって話、することあると思います。
身長低いのはダメ、とか、鼻毛が伸びてるのだけはもう許せないとか。
当然ながら脳みその6割くらい(それ以上?)を占めると思われる若き男子たちも、似たようなトークをしますよね。
〇カップ以上じゃないとダメとか、太ももが太いのはもうパスとか。
女子からしたら、お前なんてこっちがパスだよって話ですよね。そもそも太ももが太くないって、どういう足だよ?定義に反する状況じゃん、てね。
本作は作家西加奈子さんのエッセイなのですが、上記のような何だかガールズトークのようなリズムで読者に語るようなところあり、そこが印象的でした。彼女の人となりが分かる作品かもですね。
エジプトでの食事情
本作「ごはんぐるり」は、西加奈子さんによる「ごはん」にまつわるエッセイ集です。
その中で印象に強いのは、彼女のエジプトでの食事情ですね。
テヘラン生まれというプロフィールばかりが印象に残りますが、彼女はエジプト帰国なんですよね。
石やゴミが混入した米袋からお母さんが一粒一粒ピンセットでこれらを取り除き、そうしたプロセスの末に西家のごはんが炊かれていたとか、心強い仲間・家族のほぼ一員たるお手伝いのゼイナブとの日常とか、場景が目に浮かぶようにスケッチしています。
こうした経験が、直木賞作品の「サラバ!」に結実したことは疑いようがないでしょう。
西さんの「正解」のごはんとか
もう一つ、印象に残ったのは、読者にだけ打ち明けるかのような、「これは正解のごはん」「こういうのはスかしていてダメ」っていう短章でした。
好きなタイプ「aiko」は正解すぎてダメ(ちょっと古いのはご愛敬)、男女で行く居酒屋で男性がから揚げを頼むのは不正解(因みに「豆腐もの」と「季節の野菜」ものを織り込むことが正解、とか)。
これらは読んで目くじらを立てるのではなく、西さんの人となりを打ち明けてもらっているという気持ちで読むのが正解なのでしょうね笑
ちなみに私は西さんの「正解」にはなれそうにありませんが、友達としてはとっても面白そうな方だなあ、と改めて興味が湧きました。料理をおいしそうに食べそうな感じ。
そのほか
それ以外にも、外国料理に興味深々の西さんの様子、せっかく外国に行ったのに(行ったから)日本食が激しく恋しくなる等の外国旅行あるあるなど、微笑みながら読めるエッセイ満載でありました。
おわりに
ということで西さんのエッセイでした。
相変わらず擬音語・擬態語で見せます。西さんが、ことこと、とかふかふか、とか書くと、それだけで湯気がイメージできます。もう私にとっては語感の神様ですね。
料理・食事・食べることが好きなひとにはおすすめのエッセイ。
2024/06/24