海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

英語マジ難しいぃ!内容はモダンホラーで傑作 | 『COLD FIRE』著:DEAN KOONTZ

モダンホラーとの出会いは中学生か高校生の頃。

当時の私は電車通学でしたが、毎日片道約90分の行程。大抵寝落ちするのですが、落ちるまでは大体読書というのが日課でした。そしてどういう経緯か、スティーブン・キングを読んで以来モダンホラーにはまり、本作者のクーンツ作品も漁るようにして読んでいたことを思い出します。


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今回本作を取ったのは日本語より英語ができる娘の為でした。

ところが、与えてみたのに『これ、詰まんない』と1/6程度まで読み進めたところで軽くあきらめてくました。ということで、折角買ったのにもったいなかろうと父親が読んでみた次第です。

 

あらすじ

自分の才能にもジャーナリズム業界にも幻滅していた記者のHolly。ある退屈なインタビューの後に、目の前で起きた居眠り運転による男児の衝突未遂。男児を救出した男性は自分のことをJimとだけ名乗り警官が現れる前に姿を消す。その後、ふとした拍子にこのJim某が全米で、果ては世界で救出劇を繰り返していることに気づいたHolly。Jimについて調べるうちに、記者としてばかりか人間としても彼に惹かれてゆく。しかし彼女はJimの背後に潜む狂気と不可解さに、その時は気づいていなかった…

 

はじめ詰まらず、乗ったらグイグイ

で読んでみましたが、確かにはじめはつまらなかった。でも恐らく原因は英語。

登場人物のインタビューの様子・人の動作、人を取り巻く自然、車の様子や色合い、色調の変化、擬態語等々、脚本のト書きのように細かく、美しく映像的に文章が編まれています。これが英語力に劣る私共ですと、辞書なしで読み飛ばすと、言葉の美しさばかりか筋までも見失うという事になりかねず、これが消化不良につながったと推測しています。

 

その点、Kindleだと辞書が搭載されていますので、それなりに手間でしたが何とか読み進めることができました。

 

物語がはじめ1/3程度(Jimの予知能力が露わになり、Hollyとともに飛行機墜落事故を軽微なものにしたあたり)まで進んだら、もう問題なし。展開の面白さが私を最後まで引っ張り、読了するに至りました。

 

ちなみに面白さの源泉は、Jimの超常的な力、対する穏やかな性格、その背後で彼が持つ悲惨な過去、そしてそのJimに心を寄せていくHollyとのロマンス、二人に近づきくる超常的な存在からくる恐怖とスリル。こんなところでしょうか。

 

最後に少し下世話な話をしますが、単語力がないと文章で濡れ場も理解できない、と強く感じました。言葉で情景を切り取りそして他人に伝えるというのは改めて高度な言語力が必要だと痛感しました。50近いオヤジがエロめなシーンを辞書を引きつつ理解しているのはなかなかに悲しくないですか??どうすれば楽に単語力がつくんだろう?

 

おわりに

ということで、内容は実に面白いモダンホラーでした。そして改めて単語力の重要さを思い知りました。

これまで、近所の新古品の店で何度もスティーブン・キングやクーンツの作品を買おうかと思いましたが、買わなくて正解でした。きっと単語が難しかろうと思います。エンタメ系の楽しむための本であれば辞書を引く手間は最大限省くべきだと思いますし、その点では類書は電子書籍で読むことをおすすめしたく思います。

 

評価 ☆☆☆☆

2022/03/13

 

 

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