皆さん、明けましておめでとうございます。
新年早々、嫁と夫婦喧嘩をしております。はあ。
今年も私は嫁の月として彼女の周りをぐるぐるとしていくことになりそうです。
そして、もう一つ。コメントをぎゅぎゅぎゅと短くしてみたく思います。時短、ですね。
概要
とある町で人が失踪するも、無事帰ってくるという事件が多発。彼らは『盗まれて』しまったのか。
思ったこと
本作、失踪後に当人が帰ってきます。その時の意識だけないのですが、あとは普通なのです。
こうした筋から、自然と洗脳とか、死とかを考えました。
意識や記憶の連続性を自認できる場合、周囲から『お前洗脳されたんだ』と言われても『はあ?』って思うでしょう。もし死後の世界があるとして意識や記憶があり『あ、俺死んだんだ』ってわかったら、死への恐怖は薄いのではないでしょうか。
本作の『盗まれる』というのは言わばこのような状態。ただし『盗まれている』間は記憶がない。だったら別に恐怖とかは余りないんでないの?と感じました。
で、思いました。
意識・記憶の一体性・連続性こそがアイデンティティなのであり、これが保持されない(というか確証できない)のが死であり、だからこそ、死は怖いのではないでしょうか。
まあその意味では本作は余り怖くはなかったかな。
留まることをしらない幅広さ
いつも書きますが、恩田さんは作風の広さが半端ないです。創造意欲はどこから湧くのでしょうか?感心してしまいます。
青春小説やエンタメ小説としての恩田さんしか知らない方はこうしたモダンホラー系も読んでみていただきたいです。
評価 ☆☆☆
2024/01/01