湊かなえさん、本屋でよく見かけて気になっていましたが、今回初めて読みました。読後に嫌な気分が残るミステリー”イヤミス”の代表と言われる方です。
本作もその点で言うと充分”イヤミス”を堪能できる作品かと思います。
構成は「マイディアレスト」「ベストフレンド」「罪深き女」「優しい人」「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」の6篇からなる短編集。解説の清水さんによると、湊氏の作品は「母と娘」がテーマになることが多いらしく、本作はすべて女性が主人公です。
確かに読了後、なんとも言えない気持ちになりました笑
母の良かれと思う気持ちを娘は理解できない一方、娘は母のいう事を聞いたがために人生が壊れたと主張する。とまあ、どこの家庭でも多かれ少なかれありそうな平行線な話がリアルに描かれています。
小説ということで親子関係の描写はやや誇張され気味で、こんなの本当にあるのかよと思ってしまう一方で、確かにありそうだなー、うちも気を付けないとこうなる、と恐ろしくなりました。
思うらくに、日本人は他人を思いやるようにと言われて育つ一方で、気持ちの確認作業が余り上手ではないのだろうと思わせる一作でした。
読了後にお尻がむずむずするような落ち着かない心持になりたい方には是非!
評価 ☆☆☆☆
2020/02/02
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