海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

人生やキャリアを考えるヒント | 『悩みどころと逃げどころ』 ちきりん、梅原大吾

忙しさにかまけて読了したままにしておくと、何を書いていたかあっという間に忘れてしまうんですよね。そういう経験は皆さんありませんか? 本ブログの当初の趣旨はそんな風のように消えてしまう私の読書活動に、アウトプットという作業を加えるためのものだったのですがね笑 ということで少し前に読み終わった本について記します。


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いやあ、非常に面白かった。

本作は、所謂学歴エリートのちきりんさんとプロゲーマーの梅原さんという謂わば極に居る二人が人生について語るものです。ちきりんさんも梅原さんも存じあげない方々でしたが、書いている内容は非常にまっとうであると感じました。

どっちも正しい正反対の意見

その出色といえば、お二人が今いる立場と正反対の意見を取っているものが多かったことです。例えば、ちきりんさんが(学歴エリートを自称するくせに)学校に意味がないと言いつつ、梅原さんは(中高と授業中殆ど寝ていたくせに)学歴はあったほうが良い、という。また、ちきりんさんが結果がまずは大事という一方、梅原さんがプロセスのほうが大事という。

このような議論が、学校、学歴、仕事、競争、お金等々、我々一人一人が多かれ少なかれ悩むイシューについて触れられる点は読者の共感を得やすいだろうなあと感じました。

これらの議論、どちらもなるほどなあ・確かにね、と納得感のあるロジックになっています。ゆえにこうした議論から私が感じるのは、大切なのはきっと、絶対的な答えを見出すことではなく、むしろその時ベストな知識と考えから自らの答えを自ら導く、ということなのだと思います。その点で、本書は対談を通じて、多くの極端な?筋の通った人生論を提供してくれていると思います。

 

広く浅く!?

他方少し残念なのは、対談という構成上か、全般やや広く浅くと感じてしまうことです。多くの議論があるのですが、一つの論が深化していくという構成ではないので。

また、ちきりんさんが「たきつけるのが好き」と作中にあったのですが、それを見てしまうと、読者としての私の中に疑念が湧いて、「こういう正反対な意見が出るというのは、あえて作為的に構成されているのではないか、焚きつけるためのコントラスト演出なのではないか」と素直に読めなくなってしまいました。まあそこまで含めて「たきつけ」ているのならば、もうあっぱれとしか言いようがありませんが笑

 

おわりに

本作、ぼんやりしている当方の高校生の長男に読ませるために買ったものでした。彼の感想は、私が7割がた予想していた通り「忘れた、だるい」。それ感想じゃないから・・・。

そんなボンヤリな高校生にはちょっと高尚過ぎるかもしれませんが、将来とかキャリアとか納得できる人生とか、そういうことについて真面目に考えている高校生、大学生、社会人には考えるヒントになると思います。また、読後に友人、家族と議論するならばさらに効果は高いと思います。

 

評価     ☆☆☆☆

2022/08/20

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