再び居所に帰ってきました。
次、来年春に日本に帰国する際は脳の動脈のバイパス手術です。
入院する手術はこれで四度目になりますかね。色々やらかしたものです。まあでも実は意外と泰然自若なのです。
子どもたちも無事に大学までは見えてきましたので子育てはひと段落。万が一の保険についても会社在籍であれば会社から約3000万、自分の死亡保険が2000万、海外で積んでいる年金がざっと1000万程度か(少ないねえ)。子どもたちの学費と嫁の再出発費用としてはまずまずか。家内の生活力(金を稼ぐ力)を鍛えてあげられなかったのだけ申し訳ない。
とはいえ生き残る可能性も普通にあるわけで、最大のリスクは下手な失敗を負いつつ生き残り家族に介護をさせるというパターン!? これまた手術前は「万が一失敗しても病院を訴えません云々」的な同意書を書くのですよきっと。。。
年末にかけて当地で遺言を作ろうと思います。
ひとこと
昨年の丁度今頃、森見氏の作品「夜は短し歩けよ乙女」を読みました。
京都の学生譚でありますが、ややファンタジーチックな味のある作品でありました。
それに負けず劣らずおもろい作品でありました。
学生って本当にアホだなあ
そして本作。
主人公は、解説の佐藤哲也氏曰く「重厚かつ尊大」な「私」。かれが大学三回生として、無駄に過ごした日々を振り返りつつ、青春をばかばかしくもひねくれた形で親友かつ敵でもある「小津」とともに表現します。
四畳半という都会の貧乏学生の、アナクロニズムかというくらいの典型の住居を中心に、「そうであったかもしれない」別の学生生活のシナリオを、雄大・尊大でばかばかしい文語調で語ります。
四つあるどのシナリオ。結局どう転んでも時間を無駄に過ごすような大学生活にしかならないのはご愛敬笑
なお、「夜は~」の黒髪の乙女は、本作でも「明石さん」として頻繁に登場。というか樋口先輩など関連するキャラ多数。
ジョニー、なぜあそこで強く出ない!?
あ、因みに「ツボ」的なのはやはり酔っ払った羽貫さんを前にした「ジョニー」との対話ですね笑 男性ならではの「残念?」なシーンですね。散々道徳とか人に悪くしないなんて教育を受けていくと、狼に変身する仕方やそのタイミングが分からなかったりしますよねえ。
ジョニー、何であそこ脳みそを乗っ取らなかった! まあでも主人公の気持ちも分かります。君は要するにヘタレなのだ。そして君は昔の私である。
過去を思い出す
でねえ。こういうアホな学生の話を読んでいると自分の時代も思い出すんですよ。
私が学生であった1990年代でもこういう風呂なしトイレ共同みたいなボロアパート、絶滅寸前でしたが、ありました。バンカラ的生き方への憧れの象徴でありました。
そこで私も東京で風呂なしのボロアパートで独り暮らしをしてみました。が、当時の彼女(今の嫁さん)に、「可哀そう!」と情けをかけられ、ほどなくして同棲へと格上げ頂いたのも懐かしい思い出。そんなかつてを想起させます。
京都!
そして舞台。京都ですよ、京都。
四条とか白川とか、私はうっすらとしか分かりませんが、京都にご縁のある方はかなり楽しく読めることでしょう。また京都という街が、文語で語られることが実に似合う街じゃあありませんか。
おわりに
ということで森見氏の作品、二作目でした。
青春小説、学生モノ、京都を舞台にしたものが読みたい、そんな方にはお勧めできると思います。
読後に学生に戻りたくなる、そんな作品です。
評価 ☆☆☆
2023/10/31