海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

自分の至らなさが身につまされる本 |『上司の壁』白戸三四郎

ここ一、二カ月、部下育成関連の本を読んでいます。

で、かなり食傷気味になりつつあります。というのも、「お前がまずしっかりせいや」と、上司の心構え・心持ち・態度・対応を諫める書籍にしか出会っていないからです。

 

改めて感じましたが、全部出来たら聖人君主、そして私は聖人君主ではない、ということ。。。でも給料はもっと欲しいし、楽にもなりたい。。。

 

もう一生勉強ですね。ハードナレッジ以外にも、心の成熟が欲しいです。50歳を前にちょっと恥ずかしいですが。

 

はじめに

サラリーマンがふと思う、心のつぶやき。口には出さないけど思っている本音。自分だって優しく育てられたわけではない・・・。部下に思う恨みつらみ。いろいろあると思います。

 

でも、人を率いる立場であるならば、「あなたそういう考えはおかしいですよ、なぜならば…」と本書に喝破されます。

 

皆さん、自らを振り返りましょう。

 

いちいちごもっとも過ぎて辛い

本書は、「こうこう困った部下がいて、悩んでいます」的なショートパッセージの質問53問に対して、筆者が詳しく処方を与えてくれるもの。

 

但し、良薬口に苦し。

 

その太宗が、「いや、まずお前が考え方改めるべきじゃね?」と反駁されるかのような内容です。

 

例として帯の言葉を拾ってみましょう「上司は孤独」「時間がない」「一回しか言わないぞ!」「上司は嫌われ役」「自分で考えろ!」「もっと緊張感を持て!」

 

これらの言動は、近頃ですと概ねイエローカード扱いにされそうです。

私も、「自分で考えろ!」とはよく思いますよ。正面切っては言いませんが、気持ちはそれ。でも本書は、そういう前に、考えるように背中を押しましょう、と上司の態度を改めるべく促します。

 

最後の方に光るワード

で、もう聖人君主になんてなれないや、と本を投げてやろと思った最終章で、ちょっといい言葉に遭遇しました。

 

「人は、自分よりも他人のために貢献している時が一番モチベーションが上がります。」(P.231)

 

これですよね。同感です。

この返答は、働かないおじさん部下ややる気のない若者部下に対してどうするかという質問に対してです。

 

つまり、認めてあげるってことですよね。役に立ってますよって。これには結構激しめに同意。ありがとう、助かるよって一言が欲しいんです(むしろ私が!)。それでやる気が(ひいては生産性や学びが)向上するなら、「ありがとう」の認知サインを出し惜しみするだけ損ですよね。

 

おわりに

ということで、部下育成本でした。

もう、ごもっとも過ぎて自らの幼さを自覚し、はたまた自分も偉くならず、部下いなくていいや、と投げそうになりました。人間理解、そして受け止める胆力。これが必要です。

時間をおいて再読し、心の成熟・人間性の深化の歩みを確認したいと思います。

 

評価 ☆☆☆

2024/06/19

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