皆さん、こんにちは。
薄々感じられているでしょうが、当方あまのじゃくで、流行りが嫌いです。
出版業界でいうと、最近だと「〇〇がすべて」「○○が9割」「〇〇が3時間で分かる」「世界の〇〇を××冊読んでみた」的なやつです。あれはダメですよ。嘘っぽい。
まあ確かにシンプル化は物事の理解の第一歩として有効です。でもその奥に埋蔵される多彩な真実があるってことを誰かが語らんとダメではないかい? 偏屈オヤジはたまにそうひとりごちています。
さて、今回は20年ほど前に買った本の再読です。本棚整理を兼ねて、です(よくとっておいたこと)。
「超MBA式」なんてまくらですが、15年20年前はMBAの後光は眩しかった! でも徐々にネーミングが胡散臭く感じてきたんですね。何でもMBA式とか言えば売れると思っているだろって斜に構えるようになりました。性格が曲がっているんですね。まあでもこれは買ったんですが。
ちなみにその後に流行ったのが「ハーバード式」「スタンフォード式」ですかね。もう買いませんよ笑
ひとこと
MBAホルダーでコンサル経験者である筆者による問題解決・意思決定に関する書籍。
何しろちょっと古い、かな。
かつてを振り返る
なぜ自分は仕事ができないのだろう、なぜいつもミスばかりするのだろう、なぜ嫁はいつも怒っているのだろう。
答えの見えない「なぜ」に押しつぶされそうな日々が10年近く前にありました。
40過ぎの転職直後のダメなオッサンを指導したのは、30代そこそこのデキメンメンターでしたが、その時「オヤジさん、ミーシーで考えてください」としょっちゅう注意されていました。
でこれが、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveのことで、よく「漏れなくダブりなく」と言われるものです。どうやらマッキンゼーかどこかのコンサルの手法とのことだそう。
MECEとは
で、MECEって何に使うかというと、何かの可能性を総ざらいする際につかうことが多いと思います。例えばある製品が売れない理由、例えば海外進出先を決めるとき、など。
こうしたときに、人は大体ひとっとびに決定しがちです。「プロモーションが圧倒的にすくない」「進出先はインドで決まり」とか。これが失敗のもと。
でもそういう時に、売れない理由を樹形図で左から右へ「有り得る」理由・シナリオを書き連ねると、実はそこに発見があったりするものです。
このようにして、漏れを論理的に防ぎ、盲目的な決断を防ぐもの、これがMECEではないでしょうか。
使う機会がすくない?
このような問題解決は練習すれば結構役に立ちそうです。間違った選択の可能性をかなり減じてくれそうです。
ただ、しいて問題点を言えば、現場では使っている(練習している)余裕はないかなーと。私もそうですが、皆、特定のタスクをこなすのが日々の生活でありましょう。あるイシューを解決する、原因を分析するなんていうのはコンサルだったり、特定のプロジェクトに参加している人以外、あまりチャンスがないのでは。だから訓練する機会を確保するのがちょっと難しいかな、と。
その点でいうと、この技術を具現化するフィクショナルストーリーは、読者に「なるほどこうやって使うのか」と実感させる好例になります。本書では電鉄会社の経営企画部的な部署での若者とデキメンマネージャーが取り上げられていました。ちょっとレア、ですよね。。。古いから仕方ないかなあ。
おわりに
ということでMECEの本でした。でも、実はMECEでAmazonで検索してもあんまり出てこないのです。その点ではこの津田氏の書籍ですが、数少ないMECEで引っかかった本です。内容的にも知っておいて損はないと思います。
ひょっとしたら最近はもっと効率的な問題解決フレームワークがあるのでしょうか? あったら使ってみたいですねえ。「どうすれば私の老後の不安は和らぐのか」みたいな笑? ひとっとびに答えを出すならば「定年まで馬車馬のように働き金をためろ」ですかね。MECE出来ていませんね・・・。
評価 ☆☆☆
2023/12/05