海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

「僕」の妻「有紀子」はその後どうなるのか・・・ |『国境の南、太陽の西』村上春樹

皆さん、こんにちは。

昨年から伊坂幸太郎読み直しフェアを勝手に開催しておりました。で、昨年と今年で結構読んだんですね。中古で廉価で買えるものについては概ね読み、いくつか残ったものを惜しみながら指折り読んでいくという感じ。

今年はもう一つ、同時開催で村上春樹読み直しフェアも勝手に開催したいなあと考えています。大学生の時に読み始め、「むむむむ、なんじゃこいつはー」と衝撃を受けたのを覚えています。スかしているのに、マイペースなのに、がっついていないのに、モてる。悔しい!みたいな。

30年経ち再読し、どう感じるのか。自分の受け止め方の変化も、気づくとまた面白いものです。

 

はじめに

相変わらずの「僕」のやりたい放題。内向的、ジャズが好き、一人エクササイズ好き。なのに女に困らない。そして勝手に周囲を巻き込み、一人カタルシスを起こしつつ、不思議に最終的にハッピーエンド。

でも、こんな「僕」に私は憧れていた気がします。

 

あらすじ

高度経済成長期前後。当時めずらしかった一人っ子の「僕」、ハジメ。小学校でおおよそ例を見なかった一人っ子にあって、唯一の一人っ子が、転校生の「島本さん」。子どもながらに「僕」、は彼女の中に「僕」だけにとってある場所・何か、運命的な何かを感じる。

 

別の中学校にそれぞれ進学し、彼女のことを思いつつ平凡かつ面白みのない中高時代を過ごす。高校で「イズミ」という彼女を作り、大々的に傷つけ、東京の大学へ進学。鬱々とするなかで、有紀子と出逢い、結婚。面白みのない教科書編集社をやめ、義父のサポートでバーを開業。

 

独立が軌道に乗るさなか、「僕」はとうとう「島本さん」との再会を果たしてしまう。「島本さん」に没入する「僕」はその後。。。

 

運命的な浮気!?

で、本作、ごくごく簡単に、誤解を恐れずに言えば「僕」の浮気の話です。それ以上でも以下でもない。気がします。

 

「僕」も「島本さん」も、心中死の予感を漂わせつつ、かつそれに抵抗もせず、自らを修正できずに互いに没入する様子は、人に惚れたことがある方なら理解できるかもしれません。歯止めが効かない。

 

された側の受け止め方

考えさせるのは、「僕」の奥様「有紀子」の対応だと思います。

最終的に元のさやに納まる結末ですが、彼女は旦那をどうやって受け入れるのか。その心の動きは「僕」中心の視点で描かれる本作で、はかりようがありません。もちろん楽しいはずはありません。

察し想像するだけで陰鬱になりますが、気楽なのは男だけだなあ、という気持ちもふつふつと湧いてきます。

 

おわりに

ということで久方ぶりの村上作品の再読でした。

不倫や浮気はかつては男の甲斐性などと言われたことが有りましたが、今は個人の話では収まらない感すらあります。社会から叩かれる。

というより、これだけ自由な世にあって、受け止める関係を続けるかたの傷の深さよ。

私は勝手に「有紀子」のその後が気になりました。

 

皆さんはどういう感想を持たれるのでしょうか。

 

評価 ☆☆☆

2024/06/17

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