皆さん、こんにちは。
昨年うっかりできてしまった部下、しかも知り合いを採用したのですが、思ったより仕事が出来ず、なかなかにイライラします。大抵毎日キれています(天に唾するかの所業ですが…)。
ここ三カ月ほどリモートで仕事をしているため、更に連絡が疎になり、放置気味。結果、彼女の成長が止まったように見え悪循環。
そろそろ巻き直さねばと思い立ち、本書を手に取りました。
ひとこと
部下育成本かと思いきや、どちらかというと「発達心理学」なるものをビジネスに応用、これを物語形式で説明した作品、という所でしょうか。
当理論に基づき、「人は死ぬまで成長する」「人の成長には段階がある」と主張し、その成長段階にあった手助けをしてあげることで、相手(部下)は成長する、という建付けのようです。
総論賛成、具体化は微妙か
まあ、何つうか。総論は賛成なんです。
私だって窓際のくせにこうやってシコシコ本を読んでいるのは自分の成長を信じているからですよ。また、視野の広さや成長にも段階があるのは分かります。マズロー云々みたいのが本書でも言及されていますが、まあ理解できます。
ただね、実際・実務ではどうかと。
相手がどの段階にあるかの判断とかは、結構難しい気もします。そして適切にリードするというのもこれまた難しい技術なのではと思います。まあ理論家の仕事は理論の構築で、現実での適用は実務家ヨロ、みたいなのも分かります。
とはいえ、やはりある程度(というかもう少し突っ込んだ)適用へのガイダンスがあるといいなあ、と思います。
組織と人の関係
あと、人の成長レベルの話ではあるのですが、読んでいるうちに組織と人の関係も気になりました。
例えば、第二段階の部下は「自己中心的」。こういう部下には「問いかけをする」「他者の視点を与える」みたいな話がありました。これはこれで、まあ、確かに、という話なのです。
でもでも。上司、本部、あるいは経営者の皆さん、あなた達は現場の視点を持っていますか、と。「他者の視点」持っていますか?と問いたくなります。一例だと大企業、サラリーマン社長の年次の挨拶。
ものの本とかには、(経営者が抱く)Visonがあり、Mission Statementがあり、それに関連するKPIを策定し、KPIを達成することで最終的にVisionに近づこう、とまあ、カスケードされるんだと思います。
でもうちの会社とかの偉い人の話を聞いていても全く響かないんです。私が不感症かもしれませんが、社長、本当に会社をどうしたいんですか? と問いただしたくなります。
…話が逸れましたが、組織の建付けや不条理を意識してしまうと、私や部下の成長云々もそうだけど、会社の上層部も他者(現場)の視点も理解して欲しい、ついでに言うと自分がどうしたいかをより具体的に(相手が理解できる形で)喋ってくれよ、と思ってしまうのでした。
大分逸れてしまって済みません。
おわりに
ということで、発達心理学のビジネスへの応用の話でした。
理論の大枠をストーリー形式で理解するという事では良かったと思います。
評価 ☆☆☆
2024/06/03