海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

そもそも疲れって何?を教えてくれるー『「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった』著:溝口徹

「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった (青春新書インテリジェンス)
 

 

糖質に気をつけろ!でもそれだけじゃない!

疲れって確かに不思議です。食べても余計に疲れることもある。寝てもまだ疲れが取れないこともある。運動すればむろんすっきりするけどだるくなることだってある。

 

 

筆者はいわゆる栄養療法を提唱する開業医。疲れとはエネルギー不足であると論じる。とても簡便です。

 

疲労の原因を栄養といういう観点から考察し、①糖質過多によるもの②ビタミンB群不足によるもの③ビタミンC不足によるもの④鉄不足によるもの、に分類し論じています。体内にはATP(アデノシン三リン酸)を組成するための回路があるが、それが何等かの原因によって組成されずエネルギー不足に陥っているというのが主張のようです。

またホルモンのコントロールをつかさどる副腎を大変重要視しており、この臓器が機能しないことによる問題を述べています。

 

考えのベースは食事・運動・睡眠のうち、食事ひいては栄養に焦点をおいて体調を改善させましょうという主張です。さらに食事も糖質・脂質・たんぱく質のうち、糖質を減らし、脂質およびたんぱく質の摂取を増やすよう説く。

 

内容はごく一般的で常識的かつ穏健な意見かと思います。ただ新書ということもあり、理論的背景まで踏み込めていない(参考文献が一切明示されていない)。

 

個人的には好きな内容なのですが、補強する理論や先行文献等がないとやや信憑性に欠けてしまうと思います。

 

また題名についてはだいぶマーケティングサイドに引っ張られている気がします。糖質オフや糖質カットは確かに注目を集めやすいのでしょうが、筆者は糖質カットだけを声高に述べているわけではありません。筆者が提唱したいのは栄養摂取のバランシングとそれを司る副腎の重要性に思えます。ですから題名は例えば『小さな巨人 副腎の不思議 ~糖質カットで疲れを解消!~』とかはどうでしょうか。どうしても内容と題名のミスマッチが気になりますし、読者受けを狙いすぎている気がします。

 

とはいえ、内容的には面白く読める本です。時間があったら是非ご一読ください。

評価 ☆☆☆

2019/11/25

「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった

溝口徹 青春出版社 2014年09月02日
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