若々しくありたい。
午後の昼下がり、テレビショッピングで宣伝しているサプリの話ではないですが、誰しも思うものだと思います。20代の方には無縁かもしれませんが、30代40代と年齢を重ねるうちに、私も20代の時とは異なり老化を実感し始めました。食欲が衰える、体力が落ちる、残尿感が半端ない、夜に起きてしまう、って言い続けると止まりません。そんな状態になると、上の科白は口に出さずとも一度や二度ならず心に思うものです。
この本はそんな若々しく居たい方に、体内のアンチエイジング機構であるサーチュイン遺伝子を知ってもらうのには最適な本かと思います。
ところでサーチュインって何でしょう。私もよく知りませんでした。本を読むところによると、かつて人類が飢餓を経験してきた時代のいわば”遺産”であるようです。つまり、飢餓が終わるまで身体を維持し、その間は老化を先送りするという遺伝子のようです。従って、カロリーを抑えた食事をとることでいわば疑似的な飢餓を作り出し、それによりサーチュイン遺伝子を活性化させ、若さを保つことができる、という事のようです。
筆者は、このサーチュインを活性化させる為に、普段体を維持している推定エネルギー必要量を算出し、ここから割り引いた数字で一日のカロリーを抑えるという方法を提唱しています。
なお推定エネルギー必要量は基礎代謝量に活動量の係数を掛け合わせ算出していました。
因みに私(40代男性、体重68kg)の場合、このようになりました。
基礎代謝量 基準値22.3(30-49歳)×68(kg) = 1,516.4 kcal
推定エネルギー必要量 1,516.4×1.75(活動量 普通) = 2,653.7 kcal
サーチュイン活性熱量 2,653.7×75% = 1,990.3 kcal
うーむ、カロリーの話を出されると途端にどの程度のなのかわからなくなります。。。
まあでも、日本では腹八分目といいますが、一見常識的なこのタイトルもは日本のかつての食習慣が基礎づけているといえなくもない。
このようにサーチュインについて概要が分かったのは収穫ですが、より突っ込んでほしかったものもあります。
それは実証データです。必要カロリーの75%でサーチュインが発動と書いてありますが、必要カロリーは体重によって変わります。サーチュインを発動させるべく必要カロリーの75%で生きていたら体重が減るのではと思いました。糖新生が体内で起きて一定以上痩せないのならばそれはそれで書いてほしいですし、逆に痩せ続けるのならばそれもまた危険すぎます。
私はサラリーマンとしてこの本を読んでいますが、サラリーマンにとっては日々健康で出社できることは一つの必要条件と私は考えます。若さを保ちたいのはありますが、持続的に取り組めなくては毒以外の何物にもなりません。この本は2012年発行と私が今感想を書いている8年前の本です。やや古いと言えます。サーチュインのデータについては今ならより多くの情報があるのかもしれませんね。
纏めますと、この本はアンチエイジングのサーチュインを知る上では悪くないと思いました。ただし実際にこの本だけを頼りにアクションを起こすのはやや危険かなと思いました。
評価 ☆☆☆
2020/1/4
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