海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

自らのライフスタイルを見直すきっかけに |『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』著:ジョン・J・レイティ、リチャード・マニング 訳:野中香方子


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『無事これ名馬なり
・・・日々仕事に臨むに際し、体調・コンディションには気を付けています。

 

30歳そこそこで立て続けに手術・入院を繰り返したこともありますが、それよりも40過ぎに出会ったメンターからの影響が大きかった。

 

「残業しなければ8時間程度しかない業務時間で仕事をこなすのであれば、万全の体調・体制で始業時間からフルスロットルで仕事をするべし」

 

年下で当時30代半ばほどの年齢ながら老成した感のある彼には本当によく鍛えてもらいした。そして、その一環として渡されたのが著者の前作`『脳を鍛えるには運動しかない』でした。

 

lifewithbooks.hateblo.jp

 

 

以降、定期的にラインニングを行い、ストレス発散や体重コントロール、コンディション作りを続けています。

 

・・・

で、本書ですが、単なる運動の利点を説くにとどまらない、ライフスタイル指南本とでもいった装いでした。

 

主張を極かんたんにまとめれば、まさに題名のごとく『自然に帰れ』ということになります。では人間にとっての自然とは何かと言えば、ホモ・サピエンスとして進化した身体能力に適う生き方、とでも言えばよいでしょうか。ここで多方面から人間の種としての能力を人類学的に説明しています。

 

特に私の興味を引いたのはトレイル・ランです。野山を駆けることで身体に備わっている運動機能や感覚を刺激する。そのことで、脳も活性化すると。また繰り返しではない景色や絶景、チームでランをクリアした時の達成感などは脳に幸福感をもたらすそうです。また著者は痩せるとかダイエットという観点で運動を進めるのではなく、あくまで運動することで本来体に備わっている能力を刺激する・体を呼び起こすことを勧めています。

 

また睡眠についても文化人類学的な考察を加えるとともに、よく眠ることを勧めています。未だ睡眠の正体は全く分からないとしつつも、状況証拠から、良く寝る人ほど高い能力が発揮できるとしています。睡眠により頭の中が整理されるとし、睡眠をしないということは脳の整理ができていないこと(物覚えが良くないとか)、また睡眠が足りないということは脳の整理が中途半端ということになるようです。へぇー。

 

その他にもローカーボダイエットやパレオダイエット(これまで多くの本に書かれていますが)や、現代の過剰に環境を調整したことによる身体機能の反逆(アレルギー)の話など、体調・健康にまつわる多くのヒントが詰まった本でした。

 

あと翻訳が本当にこなれていて、とっても読みやすい。科学系のちょっと小難しそうなカタカナが結構使われますが、頭にすっと入ってきました。原著が素晴らしいのではあるのでしょうが、訳者もまた素晴らしいのであろうと信じて疑いません。

 

おわりに

読後さっそく、週に2,3回ほどのジムでの運動をハイキング・トレッキングに置き替え出来ないかを検討し始めました。50歳が近づいてきましたが、老化へ抗うというより、今ある身体をもっとフルに活かして生きたいたい(仕事をしたい)という想いが強まりました。

 

評価 ☆☆☆☆

2022/04/10

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