何度となく再読しています。
書きすぎて飽きてきましたが、サービス残業で午前様時代が続く暗黒時代に、救いを求めて読書をする中で出会いました。
感動しました。すっごく明晰なのです。
例えば「分解の木」。木のてっぺんに問題を書き、可能な限り下の分岐に原因を書いていくものです。本の中でも例題がありますが実際に書いてみてほしいです。こんな大がかりにしょっちゅう問題解決をすることもないでしょうが、人生の問題解決のみならず、ロジカルに考えるということの意味が分かります。
また最適な解決法の選択(P.65)もゾクゾクしました。これはX軸に実行のしやすさ・Y軸に効果を置き、解決法の実効性とフィージビリティを示すものです。この手のマトリクスは普段から使っていましたが、筆者が秀逸なのはモノによっては(例えばアウトソースするなど)実行しやすくなる、効果が上がる(象限を移動する)ということが可能であると示したことです。私がアホなだけでしょうが、私はマトリクスを作るだけで満足しがちで、象限の移動をさせて実効性を高められるか、などという発想はついぞしたことがありませんでした。
因みに本全体はストーリ仕立てとかわいい挿絵が入っており、子どもでも読めるものです。このあたりは、題名も伊達ではないですね。
まとめますと、この本は多くの方に読んでみてほしいと思います。特に自分がロジカルでないとか、社内の問題を常に「まあ組織は難しいですよ」等と考える前から評論家口調で評価してしまう方には。
言われてみると、なあんだ、と思うくらい平易に書いてあります。でも、この本で語られているような分析方法は、通常日本の学校では教えません。企業でも一部の例外を除けばやはり教わることはないと思います。にもかかわらず、世の中の問題に効率的にアプローチして解決していくためにはこの内容は絶対に必要な知識だと思います。
評価 ☆☆☆☆☆
2019/1/6
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