恩田氏の作品と出会ったのは、20年ほど前に雑誌BRUTUSでやっていた注目の小説家特集というものでした。以来、数冊読みましたが、恩田作品は本当に不思議で、優しいのにスパイシーそしてちょっぴりノスタルジックな作り、というのが私の印象です。
私が読んだ恩田作品では、作中では殺人などの大きな事件は起きません。それでいてスリルを感じさせる過去・事件が隠れており、それが徐々に明らかになるものの、それがカタルシスとして作用し最終的に爽やかな終局を迎えるというイメージです。
この作品は、国内有数の男子校の寮での年末居残ることになった4人の高校生の物語です。この作品も上記のようにハラハラもあり急展開あり仲間ありと、最終的に私はたっぷり満足できました。あらすじをしゃべりたいところですが、そこは是非ご自身で読んでご確認くださいませ。面白かったです。
さて私はこれを読書が嫌いな息子、日本語が苦手な娘(どちらも中学生)に読ませようとの魂胆で購入しました。高校受験を視野に入れつつある息子には、近い世代でもありすんなり読んでもらえるといいなと思っております。娘については恋愛系の筋もあるのでそこを餌に読ませてみたいと思います。
一部大人の汚さが出てきており中学生に読ませるには少しためらうところもありますが、こうしたものを読んでもらい少しずつ大人の世界について知ってもらいたいと思います。
評価 ☆☆☆☆
2019/1/20
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