海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

社内でのバリューの出し方。参考にはなるも驚きもなし―『最強のデータ分析組織』著:河本薫


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感想

 ビジネスアナリシスセンターというあまり耳なれない部署に18年間所属した著者。現在は部署を率いる立場であり、その立場から見た組織論ないしリーダー論といったところか。

 

会社での位置づけを高める

 この目新しい組織の会社での位置づけを上げるための努力は社内での評価の低い私には参考になりました。

 新部署というのはとかく周囲からは色目で見られたりシニカルな態度をとられることが往々にしてあるが、筆者は事業部門に飛び込み、話を聞いて、教えを請い、少しずつ名前を売っていた点。

 同時に社外に連携を作り、同様の組織に所属する社外の仲間と励まし合い、ヒントをもらい、またそこでのレピュテーションを高め、それを社内での仕事に生かそうとしている点。ひいては学術の世界にも籍を置き、専門家とのコネクションを維持する等々。

 

 私のように辺境で一人で仕事をしていると、とかく独断になったり確認を怠ったり、評価されなくてもいいやと思ったり(今でも思うけど)してしまうのですが、人とコミュニケーションをとり仕事の仕上がり感を確認したり、自分の仕事をうまく通すためにレピュテーションを高めておくことは大事であるなあと改めて感じた次第です。

 

データ分析の教科書ではない

 他方、私が期待していたのは、典型的なデータ分析の活かし方や方法のつまびらかな開陳であり、そうした知識を自分の業務に生かせないかなあと思っていました。が、全般的な本のつくりは上記でも書いたように組織論だったりリーダー論だったり、あるいは社内政治論だったりするので、その点では少し期待が外れてしまった。

 

おわりに

 最後にまとめると、組織論としてそこそこ面白い本ではあるとは思うが、ターゲットが良くわからない本であった。タイトルと内容にもややズレを感じた。私は全く違う業界の異なる職種の人間で、タイトルにある通り『最強のデータ分析』が具体的に生々しくいくつもの方法論と共に語られると勝手に解釈した。が、実際の内容はより定性的で、組織のトップ(どんな小さなものです)が組織の運営方法として読むときに価値がありそうに思いました。組織論の本であれば、やはり、もっと良い本が思い浮かんでしまうのでこのような評価となりました。

 

評価 ☆☆

2020/09/26

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