海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

素直で実直な勉強本 | 『夢を叶えるための勉強法』著:鈴木光


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愚息についての愚痴

いつの時代もそうかもしれませんが、子供は大概勉強が好きではない。勉強は将来に役立つと言われ、理屈では分かるがどうにも腹落ちしない。何しろ親の言い方が気に食わない。挙句、そんなことないのに、やれケータイ見過ぎとかいわれる(ちなみに私の時代はテレビゲームがやり玉に挙がっていました)。

 

同様にいつの時代も親は子の心配する。なぜにあんなに勉強をしないのか。他の子はみんなしっかり将来について考えているのに(まあ全体の数割でしょうが)。思春期ゆえか、少しずつ子供の気持ちもよくわからなくなってきた。自分が親になって、自分の親がどれほど自分のことを心配しているのか(そして子供はどれほど親の気持ちを汲み取らないのか)がよく分かりました。

 

うちの愚息も、まー勉強しない。そして成績も中の下か?(順位が出ないのでわからない) さらに、今回はしくった・次回は大丈夫、そんでも少しずつ進歩しているとか、定期試験のたびに驚くべきポジティブな弁明をするかと思いきや、いやクラスメート天才過ぎとか、俺試験の洗礼受けていないからダメなんだ(書類選考で高校に入ってしまったので)とか、妙にネガティブになったり。いや、親はどちらかというと将来についてもう少し真剣に考えてほしいだけなのだよ。

 

ここからが本題

前置きが長いですね笑

ということで、口でギャーギャーいってもこれはだめだと思い、勉強本などをまとめて購入し色々勧めてみようという次第です。鈴木氏による本作はそのうちの1冊。お名前は各所で見かけていて私のなかではやや「イロモノ」のタレント本的かという先入観もありました。しかし読んでみると、(意外や意外?)非常にオーソドックスで堅実な勉強本でありました。

 

計画を立てる、計画の見直しかた、勉強は量より質、質が整ったら少しずつ量を増やす、暗記の重要性、複雑な文章は図で考える、勉強友達の使い方、学校と塾との使い分け、自習環境の整え方等々。私が受験生であった約30年前と悩むところは概ね変わりません(推薦入試やAO入試のバリエーションが増えてきて、より早期からの準備が必要な点は大きな変化だと感じましたが)。

 

ただ、筆者のようにこれだけ網羅的に試験のプロセスをつかみ、PDCAをしっかり回せるというのはもう只者ではないですよ。大人にだって難しいです。ですから、この方は世に出てもしっかり仕事ができるだろうと容易に想像できます。つまり、この方の完コピは相当難しいし根気も必要かと思います。筆者も言っていますが、読者は利用できるところだけをつまみながら自分のやり方を模索するべきなのだと思います。

 

それと、筆者が実にバランスの取れた人間性を持った方であるなあと感じました(もちろん本からだけの情報ですが)。初めから勉強がやる気になるわけではないこと、眠い時は寝たほうがよいこと、物事は少しずつ完成させていくこと等々、まあ当たり前のことではありますが、通常の若者(というかおっさんのわたくし)が必勝法や裏技をついつい期待してしまいがちなところ、考え方が実にしっかりしてらっしゃる。きっとご両親からも大事に育てられたんだろうなあと感じました。自宅のリビングで父親の横で勉強をしたというエピソードなどを読むにつけ、きっと立派なご両親なのだろうと想像いたしました(思春期にあってこれだけ近い距離に驚く)。

 

おわりに:勉強法に悩める方にはおすすめ

ということで、改めて一言で感想を述べると、「はぁー、立派な娘さんで」という感嘆。内容に新奇性はありませんが、実直であり非常にパンチ力が高い勉強本だと思いました

 

振り返り、うちの愚息。やりたいこととかやりたいものが発見できておらず、目標が定まらない。勉強以前の問題ですわな。親としては、そこそこに色々やらせてみたり体験させてきたつもりでしたが。でも、こういう素敵なお嬢さんの本を読むにつけ、これは言わば「親力」の差か、とも感じました。親としても財力も考えも機会を作ることも足りなかったかと反省。

 

煎じ詰めれば、トンビが鷹を生むことはなしか、と若干落ち込みましたが、それでも人生は続きます。子供にも読ませてみて、話してみて、彼の勉強法に生かしてもらえればと思いました。

学生のみならず社会人にもお勧めできる密度の本だと思います。

 

評価     ☆☆☆☆

2022/05/15

 

 

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