皆さん、高校野球見ていますか?
この夏、息子の最後の甲子園予選は、堂々たる一回戦コールド負けでした。で、興味が湧いて、ふと見に行った神奈川県大会の準決勝@横浜スタジアム。これにあてられました。
汗、熱気、頑張り、涙。
試合を見ているだけで終盤は自然と涙目。特に負けチームにどっぷり感情移入。
居所に戻ってからもバーチャル高校野球にお世話になりっぱなしです。
特にですねえ、このバーチャル高校野球(解説は関西ABC放送ですが)、3回くらいにチームの誰かの手紙が代読されるんです。これがよい。大抵はスタンドから応援するチームメイトだったり、ベンチに入れなかった選手。涙腺緩みっぱなし。親への感謝、チームメイトへの感謝。一日でも長い夏にしたいという希望。
競技の世界は厳しい。サッカーに人気奪われたとはいえ、野球の人気はいまだ高位にあります。その中で多くの選手は報われず、負けていきます。ベンチ入りもできません。
だからこそ、日々の練習の大事さ、仲間への信頼、皆への感謝、表舞台に出られなかった人の言葉には自分を重ねずにはいられません。
高校野球がショー化されていると言えなくもないのですが、プロと違ったお金のためではない頑張りに声援を送る今日この頃です。
ということで今回の作品はアオハルど真ん中。
ひとこと
最近名前を聞くようになった住野よるさん。その作品を試しに読んでみました。ジャケ見なしの購入でしたが、50近いおっさんが読むのがこっぱずかしくなるくらいの青春小説でした。
つくり
作品は5人の仲良し高校生の話。5人の視点からの短編が綴られますが、時間は重ならず、高校二年生から高校三年生夏まで少しずつ時系列がずらされています。グループ内での恋心、相手を労わる気持ち、等々、青春を過ごす高校生のお話です。
心が読める高校生が5人。それでもすれ違う!?
高校生という多感な時期、男女混合の仲良し5人組ということで、気遣いが過ぎて少し読んでて疲れますが、これも日本らしいと言ってもよいのかもしれません。
実は5人はそれぞれに、(違った形ですが)人の気持ちが「見える」という設定です。で5人が5人とも、揃って(個別にですが)その能力を生かして「忖度行動」に出る感じが、ちょっと。忖度しすぎやろって。
男子校育ち、苦手なこと:気遣い、な私にはもう異世界な感じでした。
但し。他人を大事にしたい、だからこそ回りくどい行為に出る、そして気持ちもすれ違う。こういうのは青春あるあるかもしれないですね。気持ちが読めるという設定にもかかわらず微妙に読めていないのも、やはり人間が未熟?というか、若いからこそかもなあ。そういう意味でも青春かも。
そこから10年くらいすると、きちんと言語化してverbalに確認しないのはコニュニケーション能力が足りない、とかって怒られますが笑。
おわりに
ということで住野よるさんの作品を堪能しました。
世代としても性格的にも私には異世界な感じでしたが、私が想像する青春高校生の世界、でした笑
高校野球のシーズンですが、青春時代を懐かしみたい方、きゅんきゅんしたい方にはお勧めです。
評価 ☆☆☆
2023/08/11