海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

息子と四人の個性的な父親、洒脱な会話とツイスト |『オー!ファーザー』伊坂幸太郎

またもや面白い!

もう毎回面白いのですが、面白さの説明に苦慮します。ボキャブラリーが貧しくて。

伊坂作品の良さ・面白さってどういえばいいんだろ? そう考えて思い浮かんだのは、「洒脱」、「ユーモラス」。我ながら悲しいほどの低表現力です。

で、裏表紙側の帯の言葉が、しっくり来ました。曰く、「軽妙な会話。悪魔的な箴言。息子を守る四人囃子

てか、これほど的確だと、内容についてこれ以上書くことないよね。。。

 

 

多夫一妻のはなし!?

本作の設定はまたぶっ飛んでいますね。

私が住む国はイスラム教国で、イスラム教徒なら五人まで奥様を持つことが出来ます。まあ現実的には殆ど見ませんが。ほらやっぱりお金が、ね。

で本作は逆バージョン。奥様は一人でそこに群がる?かのような旦那様方。ストーリー中は奥様はほとんど登場せず、旦那様方とその一人息子が中心の活劇。

 

ちなみにポリアモリ云々というより、ライトにエンタメ的に設定がしつらえてある感が強いですね。

 

四人の父親たち

それと、もう一つ面白いのは、生物学上の父親が誰だかが分からないという所か。

高校生の息子由紀夫に、四人の親がそれぞれ父親顔をしつつ、すり寄り(媚売り?)、そして「やはり俺の息子だ、俺に似たんだ」とばかりに、したり顔。でも、敢えて検査もせず、四人が四人とも四人の個性で子育てに関与する。

 

因みに四人のうち悟と勲さんはちょっと印象マジります。悟が大学教授で、勲が中学教師。私の中では、中盤以降、上記のキャラがごっちゃになり父親が三人になっていました。

 

おわりに

ということで今回も面白かった伊坂作品です。

そういえば今回は東北が舞台ではなかったのかな?多恵子ちゃんの気持ちを汲まない由紀夫の様子がほんのりと青春ストーリーでもありました。全体感としては、予想もしない展開、ツイストの妙と洒脱な会話、が売りの作品かと思います。

 

伊坂ファン、家族ものが好きな方、学園もの・高校生が主役なのが好きな方、純然たるエンタメ好きの方、等々にはお勧めしたい一作です。

 

評価 ☆☆☆☆

2023/08/25

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