海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

居酒屋で隣り合わせたオヤジが、実は業界のすんごい人だった、みたいな本 |『小倉ノート』小倉清一郎

しつこいようで申し訳ないのですが、今年は高校野球(甲子園)にドはまりしました。

神奈川県予選の準決勝を横浜球場で見て、その後決勝をテレビ神奈川で見ていました。横浜高校慶應義塾、9回表のダブルプレー未遂(横浜高校)とその後の逆転ホームラン(慶應義塾)。その時何となく「慶應の優勝とかあるのかもねえ」とか思いつつ、以降バーチャル高校野球で神奈川代表を追っかけて、結局慶應の優勝。

 

私自身はどこかのファンでもなくどこが勝っても良いのですが、頑張っている選手の姿、これにハマりました。自分にもかつて、あれだけ頑張っていたものがありました(バスケ)。へなちょこでしたが、当時の鬼監督に生徒で団結し反発?しつつ試合に勝というという目標がありました。

そんな過去に思いを馳せ、甲子園球児の涙に自分を重ね、勝手に感情移入していました。

 

さて、本作は当方の愚息が中学生の時にKindleで買ったものでした。私の高校野球熱が突如盛り上がった今、ふと思い出して読んでみた次第です。

因みに、甲子園の解説では、元日大三高監督の小倉さんもよくテレビに出ていらっしゃましたね(小倉違い)。ハスキーな声が特徴的でした。

 

ひとこと感想

横浜高校で部長を務められていた小倉氏の、高校野球に関するあれこれを綴った本。題して小倉ノート。

感想をザックリ言うと、飲み屋で偶然隣に居合わせた専門家から、高校野球についていろいろと教えてもらった、という読み口でした。

 

データ、パターン分けがすごい。細かい!

一番感じたのはやはり細かい、という事でしょうか。

どのスポーツもそうですが、数えきれないほどのパターンがあり、それに対するリアクションも幾つかあるわけです。バント一つとっても塁上に選手がいるパターン、打者の左右のパターン、そして転がす先(一塁/三塁/投手)のパターンなど、この場合はこうするああする、なぜなら、と細かく教えてくださいます。

私は素人なので、分かる話は「なるほど」と思うのですが、バットスイングとか打者の軸足の話だとか、捕手の二塁送球時の足の構え方等の(私にとっての)細かすぎる話は「くどめだなあ」と感じてしまいました。勿論、よくわかっている方でしたら、「おお、なるほど」と思うのかもしれません。

 

また、横浜高校出身の有名選手(元ロッテの愛甲選手、元西武の松坂選手、タレントの上地さん)の話や逸話などもあり、何となく居酒屋で裏話を伺ったような気分になりました。そんなざっくばらんな雰囲気は作品全体にわたって流れていると思います。

 

少し気になりました

一つ気になったのは氏のコニュニケーション方法です。

幾つかの教え子を挙げて、「あいつ等にこうして教えてあげたのに、甲子園のあのシーンで従わなかったから、案の定失敗した」等々の記述が数か所ありました。

教えたのに聞かない選手がいるということは、選手に届いていないか、或いは選手が納得していないからだと感じました。そうしたすれ違いは親子、部下上司でもある話かと思います。現場の人(選手)が失敗した、俺がちゃんと指示したのに・・・、では済まないかもしれないなあとぼんやり感じました。

 

素人なので分かりませんが、部長と監督という二枚看板が揃ってキレ者だった時は、チーム運営が難しいのかもしれません。その下でプレーする子どもたちも、時としてどうすればよいのか分からないかもしれませんね。例えば部長と監督のいう事が違うときとか。そういうこともあったのかも、と勝手に想像してしまいました。

 

おわりに

ということで元横浜高校野球部部長の小倉氏による高校野球あれこれ、でした。

ややくせのある物言いですが、他方データやフォーメーションなど非常に細かくデータやパターンなどを重視する方であることが分かります。

 

野球好き、高校野球好きにはお勧めできる作品かと思います。

 

評価 ☆☆☆

2023/09/15

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