皆さんこんにちは。
本日は小噺なし笑 一週間疲れました。
ざっくりと
タイトル通りの三菱四代についてコンパクトにまとまった作品。
四代と言いますが、ページの配分的にはざっくりと、初代の弥太郎が65%、その弟で二代目の弥之助が25%、残り10%が三代目四代目の記述、といったところ。
オーナーシップに富む雰囲気!?
初代弥太郎の記述が中心なので当然ですが、弥太郎のやらかしが目につきます笑
血の気の多さとか、遊郭通いとか、公金使い込みとか。
初期の事業である商船時代の社訓で『俺の会社だー、儲けも損も全て俺の責任だからなー』(P.88)みたいなことを書かれているようです。経費の請求でレシートを白紙に貼り付けて請求しているのを見て激怒しているという逸話もありました。コスト意識の強さの観点を強調してのことだと思いますが(今なら裏紙使用はコンプラや情報漏洩的に問題になりそうですが)。
初代弥太郎は、ケチというよりも、オーナーシップという言葉で形容したほうがしっくりしそうです。マイクロマネジメントと言えなくもないですが、全て自分事としてオーナーシップをもって仕事していたと。
そのような姿はきっとエネルギッシュで、魅力のある方だったのだと思います。
変わり目の素早さも強さ
感心するのは二代目の変わり目の速さ。
商船事業で政府系企業との消耗戦の末、三菱商船合併を画策。合併企業からは手を引き新たに三菱社を創設。こちらが今の三菱系列の元となっていることになります。
鉱業(銅)、炭鉱、造船・重工業、銀行など現在の三菱グループの中心的企業がこの時代につくられた模様です。
このドラスティックな変化を前に二代目の胸に去来したものは何だったか、少し知りたくなりました。
会社はだれのもの?
もうひとつだけ。
筆者がしきりに岩崎家を持ち上げて『国の為という精神がすばらしい』『公共心がある』的なことをいっているのですが、やや時代錯誤的に感じました。
企業は、よりお金があるところに流れる、個人的にはそう思います。
但し、公共心とか、(少なくとも)大衆への言葉が語れるかたでないと、大成することは難しいのかもしれませんね。
おわりに
ということで三菱グループのアンチョコ系歴史本でした。
学生さんが就活で使いそうなハンディな厚さですが、サラリーマンがちょっとした勉強で読むのにも適しているかもしれません。
評価 ☆☆☆
2024/01/13