海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

絵画って奥が深い!うんちく心が刺激される! |『恋する西洋美術史』池上英洋

皆さん、こんにちは。

私の会社では、今年から週三日のオフィス勤務が義務化されました。なんというか、これがきつい(泣) 実に甘ったれた泣き言なのですが、これが現実。金曜の晩はもうぐったり。

3-4年続いたコロナ期を経てしっかり年もとりました。またこの間、二回も陽性にもなりました。こんなにダルいのは後遺症?いや多分違います。単なる疲れです。

かつては当然のように週五日でオフィス出勤していたのですが、今やそれすらスーパーマンのごとく頑強なように思えてしまいます。

 

で何か影響あるかというと、結果土日はほぼ引きこもり状態。もうひたすら睡眠と読書に費やされている気がします。

その一気読みの中で今回読んだのが、美術史家の池上さんの作品。彼の作品はこれで二作目。今度は新書ではなくて学術書で分厚いのを読んでみたいですね。

 

ひとこと

いやあ、面白かったです。絵画と西洋文化史とを絶妙につなぐ本作。しかもテーマは恋愛。

 

読後、絵画の豊潤さに思いを致しました。

 

絵画、とは?

で、陳腐に思ったこと。

絵画って、歴史を綴るなあと。

 

洞窟で暮らす人々の生活を写すところに始まり、キリスト教の宗教画として機能したり。ルネサンス期にはキリスト教以前のギリシア文化を描いたり、より世俗化したタッチでの聖人画や聖書の題材を描くなどしたり。パトロン肖像画を描いたり。更には絵画(とそのパトロン)がより一般化したことによりブリューゲルらが農村の風俗を残すようになったり。

 

絵画は深い!

何か知らんけど、妙に感心してしまったのです。

 

絵画、深いじゃないか、と。

 

単なる美醜で見る。これもまた良いでしょう。でも、それだけに留まらないのです!

その作品の中に新たな技術を見出したり、あるいは全体の構図から寓意を見出したり、描きこまれるアイテムから聖人を特定したり。つまり、描きこまれたアイテム一つ一つを繙くと、そこには多くの意味が込められているわけです。ぞくぞくしませんか?

 

時に人はそれを「うんちく」と言って揶揄します。が、一定数の中高年のおじさんにはこれは蜜の味です。そして実際、端々に潜む意味・意義を教える本作、私には面白く感じました。

 

で、本作はそういうことを丁寧に教えてくれる作品であった、ということです!

 

おわりに

ということで池上氏の西洋美術史の本でした。

絵の話ではありますが、習俗・風俗の話、作家の話、西洋史(文化史、宗教史、政治史)、ギリシア神話新約聖書旧約聖書など、色々な話が分かっていて初めて十全に楽しめる世界だと感じました。

 

池上氏の解説により、やっとこその一端を垣間見ただけですが、知の蓄積・集積、まさに歴史を感じた一作です。

 

中高年の歴史好きには激しくお勧めできる作品だと思います。

 

評価 ☆☆☆

2024/01/20

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