・・・すみません。引き続き聖書の入門書です。そろそろ入門書は終わりにしたいと考えているものの、積読している本は消化したい。
で、残っている中で、この本は面白かった。うん。
私が聖書を勉強したい理由の一つに美術館に行ったときにより絵画を味わいたい、というものがあります。その点では本作は美術入門としてもうってつけだと思いました。
ひとこと
本作では旧約聖書をあらすじ+イラストでRetoldしてくれている入門書。
誤解を恐れずに言えば、マンガ以上新書未満、とでも言った体裁。やはりイラスト(マンガ風)があるので、イメージで理解しやすいところが素晴らしい。
名画に吹き出し。これはうまい
で、ちょいちょい名画が出てくるのがいいのです。癒される。
この前、『図解とあらすじでよくわかる「聖書」入門』というのも読みましたが、あちらは硬派のナリに時々関連したを登場させるパターン。基本文字。
他方こちらは基本イラスト。私家版の、文字の多いマンガを読んでいる印象です。で、時々名画を登場させては、なななんと吹き出しでセリフを入れちゃう。ん?そう、これって中学とかでクラスでよく見かけた教科書への落書きですよ。ただ、吹き出しのメッセージが端的で、文字通り吹く笑 面白いし分かりやすい。
同一モチーフの絵画比較。ナイスアイディア
加えてですが、名画比べもちょいちょいあり、こちらも興味深かったです。
アダムとエバの絵は5作品あり、クリムトの絵とかはかなりキレがあるなあとか。バベルの塔の絵も4つくらい比較してくれています。実はバベルの塔も作者によって二階建てだったりタワマンみたいだったり色々。
そうした名画を見るたびに、ヨーロッパの美術館に行ってみたいなあとか夢想することもできます。
おわりに
ということでイラスト系聖書入門でした。
筋を理解するにとどまらず、プチ美術入門にもなっており、旅行のお供にもなりそうな良書であります。
文字が苦手で旧約を勉強したい方にはうってつけかと思います。
5年に1冊も本を読まないうちの家内がふと10分くらい本作を手に取り、『これなら私もよめるかも』と言って数ページ読んでいました。辺見庸の『もの食う人びと』を貸して2年ほど戻ってきていませんが・・・。
評価 ☆☆☆☆
2023/07/02