海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2人の刑事の掛け合いから繙かれる3遺体の真実 |『パズル』恩田陸 

皆さん、こんにちは。

そろそろ異動の時期ですね。私は外国でこじんまりと自らサイロを築いてぼちぼちやっています。しかし、所謂駐在さんはそうはいきません。異動の示達があります。

 

私の一つ下の上司君は、次はなんとブラジルだそうです。と、遠い・・・。日本からだと30時間かかるそう。これでは一時帰国も難しいですね。

彼は、ことし上の子が大学受験、下の子が中学受験らしく、当然の事ながら?単身赴任となる模様。ちなみに上の子は奇遇にもうちの愚息と同じ高校で同じクラブの一つ下。残念ながら甲子園予選は見れないかもしれません。

子どもの成長、家族の急用に柔軟に対応できない部分は気の毒だなあと感じます。その応報としての金銭であるとも解せますが。

 

どのような人生を選ぶか。

ワーク・ライフ・バランスとは字面で表現されるより難しい話であります。

というよりワーク・ライフ・マネー・バランス、といえば正しいかな。いや、ワーク・ライフ・マネー・キャリア・バランスかな。いいや、ワーク・ライフ・マネー・キャリアファミリー・バランスか!?

 

めぐりめぐってワーク・ライフ・バランスが一番すわりがいいですね。いずれにせよ、難問であると感じます。

 

はじめに

3週間ぶりの恩田作品。2000年に発表されたちょっと古めの作品。幻想系スリラーとでも言った恩田氏らしい作品。

 

あらすじ

とある無人島で発見された3つの遺体。餓死、感電死、溺死とそれぞれ違う死因。3人の遺体に関連はあるのか。二人の刑事がこの疑問に取り組むが最後の結末は・・・。

 

登場人物すくな

基本ストーリは無人島で捜査する二人の刑事の掛け合いに終始します。その中でさまよえるオランダ人の伝承の解釈であったり、片方の刑事が高校時に属していたオカルト研究会の話であったりが挿入され、次第に状況が明らかになってきます。

 

因みにこの無人島を探すさまは、何となく長崎の軍艦島を想起させます。数十年前に打ち捨てられ、朽ちた住宅地。その人なき無機物の瓦礫の中を歩く様子に、軍艦島を見て感じた何とも寂しい様子を思い出しました。

 

おわりに

ということで月いちローテになりかかっている恩田氏作品でした。

これはどちらかというとファン向けかなあという印象。一般向けに勧めるならもっと面白いものがあるかなあと思った次第です。

 

評価 ☆☆☆

2024/03/05

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