海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

自己省察力が光る幸せ追求ノンフィクション | 『THE HAPPINESS PROJECT』 GRETCHEN RUBIN

「幸せ」とは、なかなかにむつかしい。

特に日本人は幸福度ランキングが低いことで有名?です。他国や他人と比較すれば、色々な点で恵まれている。だけど幸せと感じない。。。

そんな「あるある」に正面から取り組んだのが本作。ちなみに筆者の義理の父は米国の財務長官を務めたR・ルービン。てか筆者、結構セレブ!?

 


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概要

ふとバスの窓から外を眺めていて「私は幸せになりたい」、と強く思った筆者。二人の娘とのほほん気味なご主人(C型肝炎持ち)との生活にてんやわんやしつつ、自ら課した毎月のテーマを一年間実践し、幸せ感を増強する、という体験型ノンフィクション。

 

感想

結論から言うとなかなか面白かった

初めのとっかかりは、どうにも筆者の自意識過剰感が強く、めんどくさい女性の話なのかなあ、と思いつつ読み進めました。12カ月分で12章ありましたが、3月くらいから気持ちが乗ってきて楽しく読むことができました。

何が面白いのかというと、筆者のチャレンジ精神とその結末。この筆者、本当に失敗を恐れない心(仕事だからかもしれないけど、とにかくやってみる)をお持ちのようです。

読んでいると、毎章毎章いっつもイライラしていて、結構感情の動きが激しいように感じるんです。夫にイライラ、子供たちにイライラ。全くどこかでよく見る光景です笑。で筆者は、月のテーマ(例えば夫に優しくする、みたいな)に沿って実際行動してみるんですが、毎月大抵どこかで我慢しているんですよね。で、我慢を溜めに溜めて、結局爆発。いつも通りに普通にしていたほうが余程幸せなのではないのん? が、筆者がすごいのはここから。その後キチンと冷静さを取り戻し、アクションの効果をキチンと振り返り、自分のアクションにより自分の気持ちや周囲が変わったか等をキチンと検証するのです。そして必要に応じて自分の行動を変えていく。

感情的なのは本当に苦手なのですが、最後の最後で冷静な自分に戻れる筆者の姿は素直にかっこいい。私が一番苦手なPDCAのCをキチンとやっている点も非常に素晴らしいと感じました。

なお、結論は結構陳腐でした。そちらは読んでのお楽しみということで笑。

 

程よい英語

ちなみに英語ですが、英単語のレベルが個人的に非常に良いと感じました。文法はシンプルで簡単ですが、程よい頻度でこじゃれた&知らない単語が出てきた感じがします。Magnanimous(j) 寛大な, mull over熟考する, social butterfly(n) 社交家, coveted(j) 誰もが羨む, 等々。今度スピーチで使ってみようと思います。

 

おわりに

ということで、気楽に読めるノンフィクションでした。諸々含めると400頁弱あるのでボリューム的には気楽ではないのですが、内容は楽しく読めます。自己啓発系としてはそこまで私には響かなかったのですが英語の勉強には良かったです。翻訳も出ているようなので、突き合わせて勉強してもいいかもしれませんね。

 

評価     ☆☆☆

2022/08/11

 

 

日本語版もあるようです。

 

 

「やってみました」系というと、全世界家族会を企んだ以下の作品もなかなか面白かったです。

lifewithbooks.hateblo.jp

 

 

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