海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

押しつけがましくないエッセイ |『歩きながら考える』ヤマザキマリ

皆さん、こんにちは。

先週末に、外科に行ってきました。

20年前に右膝の前十字靭帯の断裂後、再建手術をしたのですが、最近しゃがんだりヨガで90以上膝を曲げると膝が外れることが有るんですよ。。。

病気やケガばかりで嫌ですが、3時間ほど待たされる間に読み終えてしまった一冊であります。

 

はじめに

テルマエ・ロマエ」のヤマザキ氏による、コロナ中~コロナ後にかけてのエッセイ。個人的には、まあまあ!?

 

基本は諦観の方?

個人的には、本作はこれといって中心的な主張やテーマがあるわけではないと思います。ヤマザキ氏がつらつらと、コロナ中からコロナ後にかけて日本に滞在して感じたことを文字にした、そんな印象です。

 

その中で印象的だったのは、どこだかで、「私は想定に過度の期待をしない」「こうあるべき像を持たない」みたいな記載がありました。

例えば旦那さんはこうすべきものという観念があり、それが「想定外」だったりするので苦しい、だからそもそも期待(というか想定?あるべき像)を持たない、みたいな。

故に、海外生活は想定出来ないことばかりなので、日本の「計算通り」「想定通り」にほっとしてしまう反面、日本の社会は「想定外」「規格外」を許さない、結果息苦しいみたいな話です。

 

社会についての「想定外」の考えはいいのですが、旦那さんとか相方についての「想定」「あるべき論」はどうなんでしょうか? 実は寛容な相方がいて成立する思想なのかな、っとちょっと斜に構えてしまいました。

 

彼女の考えは一種の諦観みたいな感じですが、仮に私が家内に「君には想定以上に期待はしていない」とかいったらマジで切れられそう。というか、想像するだけで怖い。うちは息苦しくても、家族大好き・距離感近めの奥様と今生は過ごす予定(たまに一人に時間が欲しい…)。

 

おしつけではない

他方で、これはこうするべきだ、と声高に主張するわけでもなく、私はこう思うんだよねえっていう感じにライトに述べる姿勢は、好感がもてます。良い意味で殆ど内容が記憶に残りませんでした。まあ、私と考えていることとダイレクションが似ているのかもしれませんが。

 

逆に言えば、映画に没頭していたりとか、虫が好きとか、落語を飛行機で聞くとか、個人の趣味についてはやや熱量が高かったのか、そういう話は何だか頭に残りました。

 

あ、ちなみに、映画「ノマドランド」について語っていましたが、映画では所謂「ノマド」老人についてポジティブに描いていたんでしょうか? 原作となった「ノマド」を読みましたが、どちらかというとアメリカの新貧困層の出現、みたいな印象を受けたのですが…。

 

おわりに

ということでヤマザキマリ氏の作品を初めて読みました。

やっぱりエッセイは少し苦手かも、って思いました。

 

評価 ☆☆☆

2024/05/25

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