ひょんなことから年末は意外にも時間が取れることになりました。
本ブログはひたすらにオッサンの読書感想文を垂れ流すものですが、ひょっとしたら雑記的なものが数日流れるやもしれません。そんなときは時は普通にスルーしてください。
ひとこと
令和の現在に紡がれた、丁寧なコラム・エッセイ、という感じ。
過去に読んできたエッセイ
これまでにも幾つかエッセイ的なものを読んできました。面白いなと感じるのは自分と遥か異なるかた、明け透けすぎるかた、等々です。あるいは「現代ならば許されないな、この表現」などと形容されるかた。まあとにかくぶっ飛んだ方。
ふと思い出すのは中島らもさんとか、ナンシー関さんとか。とても彼らのような文章・意見はひねり出せないなあ、すごいなあと感心したものです。古くて申し訳ないのですが。
最近ですと、旅行が好きなので旅系・海外系のエッセイも読みました。川内有緒さんの「パリで飯を食う。」とか角田光代さんの「いつも旅のなか」とかは、何だかすごい人たち居るなあ、いいネタもってんなあ、と彼我の差を楽しむエッセイ。こういうのも好きです。
ツボの分かる姉さんのエッセイ?
で、今回初めてジェーン・スーさんの著作を拝見しました。
これがまた、なんというかとても丁寧で現代らしいというか。
現代らしいというのは、40代女性で未婚。でも恋愛も、ゴシップの話も、そのほか下世話な話も、将来の話もする。こじれた家族の話も。現在の今を体現している、ある意味で多くの女性が自己投影をしやすい方なのしれないなあ、と。
あと、SNSを通じて揮発的「炎上」がすぐにでも起きる昨今ですので、なんだかとても表現が丁寧で考え抜かれているようにも感じました。ヴァーチャル世界で他人とかみ合わないことが頻発する現代社会ですからねえ。
そんな気持ちは「「おかしい」ということの難しさよ」というタイトルのエッセイも現れているかと思います。もちろんとても丁寧な表現です。
本当に勝手なことを言えば(申し訳ないです)、その丁寧さ・優等生ぶりは、個人的にはちょっと物足りなさを感じてしまいました。
あ、でも「昔の私に教えてあげたい、夢の叶え方」というエッセイは良かった。やりたいことではなく得意なことを伸ばせって話。まあ、得意なことが私はありませんけど笑。
おわりに
ということで初めてのジェーン・スーさんの作品を読みました。
破天荒で激辛なものを勝手に期待していたのですが、とても抑揚の効いた、でもすこーしだけ山椒を利かせたような現代的なエッセイでありました。
他の男性諸氏はどのように読まれるのでしょうかね。女性の方は普通に「うんうんわかる」と楽しく読めるのやもしれません。
評価 ☆☆☆
2023/12/22