皆さん、こんにちは。
最近、家内の就職活動を手伝っています。
「子供は日本だし、一日中家にいるのは暇。日本語もあなたとの会話だけでどんどん下手になる。日本語を使う仕事がしたい、でも忙しすぎる仕事はいや、そして有休が多い会社、できればWork from Homeができるところが良い」とのこと。
奥さま、注文が多いです。
で、履歴書の作成、英文履歴書も私が作り、数社にCVを投げてみました。
妻が幸せなら、何も言うまい。そういう思いでしぶしぶ活動しております笑
50代の主婦は果たして就職できるでしょうか。
はじめに
東大名誉教授でヨーロッパ中世史がご専門の池上俊一氏によるシエナ本。
シエナの魅力を歴史や文化を深め・厚めに説明する旅行ガイド!?
購入の経緯
今年の初め、上の子と私ら夫婦でイタリアに旅行に行きました。
ローマが30%、フィレンツェ70%という日程配分でした。フィレンツェといっても中心部のみならずトスカーナの郊外にも足をのばしました。その際シエナにも行ったのですが、本当はそれまでに読んでおきたかった本。
結局古本しかなく、しかも値段がそこまで安くなく読まずに行きました。
で、帰ってきてから結局ほぼ同じくらいの値段で買うという。。。
相変わらず間抜けなことをやっております。
シエナの思い出
シエナはですねえ、そうですね、すり鉢状のカンポ広場、兎に角古い銀行がある、パンフォルテ、ピチ、といったところを思い起こします。
街並みは確かに中世って感じで美しかった。
シエナの大聖堂付属の塔からのシエナの街並み。マンジャの塔の手前がカンポ広場。
パンフォルテは、食感は固めなゆべし。くちゃくちゃ楽しむお菓子。私は好き。
本作では、『シエナってそんなもんじゃないんですよ』ということを池上氏がアツく語ります。
だけじゃないシエナ
著者の意見は、実はシエナは深いんですよ、という話。
先ず力説しておきたい魅力として、中世の街並みが色濃く残るということ。そして、トスカーナの田園の恵みとシエナの街が充実して連結しているということ。
読んでいるとちょっと分からないかもしれませんが、フィレンツェからバスでシエナに行く際、なだらかな緑の丘陵がどこまでも続く光景、あれには心を奪われました。
周辺の田園部(コンタード)からとれる土や粘土、そして豊富な農産物、これらがあって初めて都市のシエナが形作られたという話。
更に更に。
シエナの文化的バックボーンは、異教的・土着的要素も大いに包含しているという話。
通常はイタリアですからキリスト教、それもカトリックというものです。でも、パリオという地区対応競馬大会的な祝祭、これはかなり土着的な要素が多いそうです。勝ち馬は教会まで勝利を報告したり、レースの前に馬に聖水をかけたり。勝った地区(コントラーダ)の人々は勝利の雄たけびと共に街を練り歩くそう。
これを読んでいて、まさに「ハレの日」という日本的ワードがぴったりの印象を受けました。
ああ、次はぜひこのパリオというお祭りを生で見てみたい、と思うのでした。
おわりに
ということでシエナのあれこれを、やや文化史的に掘り下げた新書作品でした。
文化とか歴史とかがお好きなかたでシエナに旅行する予定がある方は、悪いことは言いません、是非読んでからお出かけください。
評価 ☆☆☆
2024/11/27