海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

形容できない物語?SF?心の話?生き方の話? | 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹

はじめに これまた25年以上ぶりの再読。奥付を見ると平成11年30刷とあります。あ、でも古本ですね。鉛筆で「2冊590円」と奥付上部にありました。まだまだ町の古本屋さんという存在がちらほらと見える時代でありました。 何が良かったのだろう いやあ、この作…

キリスト者のほんわか箴言集 |『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子

皆さん、こんにちは。 当地で古本を頂きました。送料300円払えばあげるよ、ということで10冊くらい?頂戴しました。 で本作はそのうちの一冊。結果はうーん、という感じ。 ところで。 海外で日本語の本を売買する人ってのに会いませんね。 私、読んだ本を処…

警察暴走のディストピア。洒脱さとツイストはデフォルト、におわせ結末は明るめ |『火星に住むつもりかい?』伊坂幸太郎

はじめに 伊坂氏による2015年の発表作品。 国家(平和警察)が市民を疑心暗鬼にさせ、火のないところに煙を立たせるかのような、ディストピア風テイストの小説。 洒脱な会話描写はいつも通り。いわゆる第二期のモヤモヤな進行ながら、最後はやや明るめな結末…

よくある意思決定ミスの仕組みとその処方箋 |『まさか!?自身がある人ほど陥る意思決定の8つの罠』マイケル・J・モーブッサン、訳:関谷英里子

はじめに 米レッグ・メイソンでストラテジストとして勤務する一方、コロンビア・ビジネススクールで非常勤としても教鞭をとる筆者の著作。 一言でいうと意思決定論についての本。 いまいち理解不足 一言でいうと「ムズかしいなあ」というのが感想。 私たちの…

コンパクト版、サムエル記+列王記=歴代誌? | 旧約聖書 歴代誌 『聖書 新共同訳』

はじめに こんなこと言うとナンですが、歴代誌、だるかったです。 というのも概ねサムエル記、列王記のコンパクト版であったからです。 ダブりというか、コンパクト版 もう少し正確に言うと、アダムから始まって、列王記でネブカドネザルの捕囚となるユダの…

もっとも分かりやすい東氏およびポストモダン入門 |『郵便的不安たちβ』東浩紀

哲学を好きな自分が好き? 大学、大学院と哲学をやった割には哲学を知らない(というか分からなかった)私。いまだに淡い憧憬を持ち続けています。 他方で自分を疑うようにもなりました。 若い頃よく単館上映映画をよく見ていたのですが、自分が映画好きだっ…

スリラー系作品?ひそやかな純愛小説ともとれる!? |『Nのために』湊かなえ

はじめに 湊かなえ氏の2010年の作品。『告白』での小説デビューが2008年であることを考えると、初期の作品に該当するでしょうか。 多くの人物が語り、真実がどこにあるか分からない、心理スリラー的作品。ただ読み方によっては恋愛小説? 結局どれが本当の発…

会社の目標のアラインメントを整える、これ相当ムズイと思う |『バランスト・スコアカードによる戦略実行のプレミアム』ロバート・キャプラン、デビッド・ノートン、 監訳:櫻井通晴、伊藤和憲

はじめに KPIについての本は幾つか読んできました。 本作の作者のキャプラン氏、ノートン氏の著作も以前読んでみました。 lifewithbooks.hateblo.jp 結果としては本作の方が良いと思います。 会社の目標って? 私は部署の予算とかKPIとかを見るような仕事を…

ルッキズム、個性、孤独など。寓意に満ちた短編集 |『炎上する君』西加奈子

はじめに 西氏の2010年の作品。8編の短篇からなる作品。 なお、表題作「炎上する君」は映画化もされた模様。 youtu.be ひとこと これまで「ことば」の女王として私の中で(だけ?)際立っていた西氏。 しかし、本作を読み、かなりふかぁーく感じた次第です。…

ホテルが舞台の群像劇。杉江氏の渾身の解説が印象的 |『夏の名残の薔薇』恩田陸

はじめに 最近、月一で読んでいる恩田氏の作品。 今回の作品、結構ドラマドラマしているな、というのが印象ですかね。 概要 内容をザックリ言うと、夏の人里離れた高級ホテルで繰り広げられる群像劇、といったところ。 一代で財を成した沢渡グループが運営す…

日本の日常食、ミニマムスタンダードの提案 |『一汁一菜でよいという提案』土井善晴

会社の元同僚の姉さんみたいな方からもらった本。ぷらっと小旅行に行っている時に読んだものです はじめに 料理研究家の土井善晴氏による料理本。内容はといえば、日本の日常食、ミニマムスタンダードの提案、とでも言ったものかと思います。 手作り神話と日…

つまづいた人たち恋愛小説。ある意味ほっこり系!? |『どれくらいの愛情』白石一文

はじめに 白石氏の作品はこれで二作目。 前回読んだ『僕の中の壊れていない部分』が見事なまでのダメンズ小説!?であったので、今回もきっとスかした女ったらしみたいな主人公がわぁわぁいう小説かなあと勝手なイメージを描いていました。ところが、かなり…

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