皆さん、こんにちは。
認知症がすすみ、食欲が半端ではなくなった父。起きている間、殆ど口を動かしているのではないかというくらい。
この数カ月、私と妻がいたので、子どもたちを合わせて6人分の食事と後片付けは別に何ともない話でした。
この先、料理下手・整理下手の母は大丈夫なのか、と後ろ髪をひかれながらの居所への帰国となりました。
日本に帰るべきなのかなあ。でも、へっぽこサラリーマンが50で職が見つかるかも不明。悩ましいなあ。
はじめに
久し振りに森見氏の作品を読みました。
森見氏の作品といえば、a)京都が舞台、b)主人公はオタク系の大学生、という路線です。で、実は本作がデビュー作とのこと。ああ、これが原型なのね、とひとりごちつつ読了。
本作、端的に言えば、中二病を引きずったまま頭の良い大学生になっちゃった男性の、こじらせ日記、みたいな印象です。
あらすじ
主人公「私」は、女性に切望的に縁のない大学生活を送る三回生で、しかも一度できた恋人「水尾さん」に振られたという設定。その彼の、華のない友人たちとの、クリスマス前後の日々が描かれます。
私の友人?というか昔の自分か?
なんというか、私の友人にいそうなタイプ。
主人公の「私」のひねくれ具合がヤバい笑 というか、こういう奴、いたなあ、という感じ。彼女が欲しいのに、頑張らない。彼女がいるやつを何なら見下す。そのくせやっぱりエロいこと好きだし、興味もあるのに、それを何のかのと、難関な論理でもって説明する笑 つまり頭はいいのに、ちょっと素直じゃない笑
私なぞは男子校に通っていたため、必然的に女子に窮乏し、果ては大学に入っても長らく彼女が出来なかったので、主人公の気持ちがイタイほど分かる! 否、俺の気持ちを代弁してくれてんの?みたいな(んなことはないでしょうが)。
本上さんのフォローがうれしい
でもやっぱり、こういう男子はモてないよねえ、と思います!だってほら、会話してても面白くなさそう笑
しかしながら、あとがきを書いている本上まなみ氏によると「へもい」らしい。それ以外にも、肯定的な表現がたくさん!
まあ余所行きの表現でしょうが、これを読んだネクラたちは全員本上まなみファンになったことでしょう。
奇しくも作中の主人公の愛車(チャリ)も「まなみ号」。編集者が気を利かせたのかわかりませんが、あとがきの配役としても味のあるアレンジでありました。
おわりに
ということで森見氏のデビュー作でした。大学生の話はいつ読んでもいいですね。若い時を思い出します。男だけのくさい友情も楽しいものです。
京都にご縁のある方、大学生の方、大学生活を懐かしいと思う方、ちょっとオクテな男性にはお勧めできる本です。
評価 ☆☆☆
2024/06/13