前作の1と2とあわせて購入し、これが最終巻です。神と信者というバイラテラルな関係から、王を頂きその下に民が居る形をとっている時代の話です。
書籍の帯で西原理恵子氏が言う通り、旧約聖書は不倫あり裏切りありで、しまいには神様が選んだ王が心変わりし、神が”私が間違った”という始末(原本は本当だかわかりませんが)。
こうした不完全さを堂々と示す宗教に対して、無宗教の日本人としてどういう教訓を導けばよいのかはよくわかりません。やはり宗教はわからないととらえるべきか、あるいは不完全さにも寛容で居るべきととらえるべきか、それはよくわかりません。
ただ、まずは西洋の芸術・美術或いは文学で言及されことが多いこの旧約聖書の概要を理解するためにはこの程度が手軽かつ実用的だと思います。本格的ではなく、手っ取り早く旧約聖書を理解したい人にはお勧めします。
なお収録はヨシュア記、士師記、サムエル記、列王記、ヨナ書、ヨブ記、ダニエル書です。知恵の王として言及されることが多いソロモン王の話も出てきます。ちなみに、イスラム教では同様の名をスレイマンとして呼ぶようです。興味深いことです。
評価 ☆☆☆☆
2020/02/15
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