海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

法律の本だけど、背景・歴史・解説がよろしい |『詳解 銀行法』小山嘉昭

皆さん、こんにちは。 そう言えば、夏休みの季節ですね。 私も同僚から「日本に行きたいけど、どうだろうか?」と聞かれることが有ります。 諸条件も聞かず、「とりあえず夏、7, 8, 9月は外しておけ。ここ(東南アジアの外れ)よりずっと暑いぞ。死ぬほど暑…

時々の下ネタがキツめな昭和の旅行記 |『地球はグラスのふちを回る』開高健

選書の理由 高度経済成長期のショーワのテイスト おわりに 選書の理由 開高氏といえばサントリー所属のコピーライターで、後に独立し文筆業へと転身、1958年に「裸の王様」で芥川賞を取りましたが、それ以外にもノンフィクションやエッセイなどで有名ですね…

絵で見て、読んで、旧約の概要を把握する | 『イラストで読む旧約聖書の物語と絵画』杉全美帆子

はじめに ある意味、名画紹介かも 外伝にまつわる絵も おわりに はじめに 本作、再読です。 非常にライトで旧約聖書の入門にピッタリかもしれません。 文字というか解説もほどほどに入っています。 ある意味、名画紹介かも とりわけ良いのは、やはり欧州を中…

バリキャリ女子の愛犬喪失物語 |『一分間だけ』原田マハ

皆さん、こんにちは。 我ながら懲りないなあと思うのは、自分なりにいまいちフィットしないと感じる作家さんでも結構別作を読んでみたりする、ということです。 そんな作家さんが数人ほどいらっしゃいます。 では原田マハさんはどうかというと、美術系はとっ…

とにかくカバレッジが広い金融史。古代から現代まで、金利から証券化まで |『金融の世界史』板谷敏彦

これまでの社会人生活で、金融に携わって参りました。 証券システムのITエンジニアとして、リテール証券のドブ板営業員として、そして銀行の管理部門スタッフとして。 どの職種でも商品知識とともに、歴史や経緯を知るべき(というか知りたい)と思い、業界…

妹の結婚を機に自分を振り返る姉。露子、どうする?ライトでユーモラスな作風 |『桐畑家の縁談』中島京子

中島氏の作品 ユーモア表現の源泉はどこに おわりに 中島氏の作品 以前、氏の『花桃実桃』を読んで、何だかライトだなぁーと感じました。 個人的にはそういうライトめな作品はそこまで好みではないのですが、前回の川上未映子氏の作品でも書いた通り、私、一…

少年の閉じられた内側から世界を紡ぐ |『ヘヴン』川上未映子

皆さん、こんにちは。 そういえば選挙。どうやら外国人の話が論点になっているようですね。報道番組でも扱っていました。 国際結婚をした私、現在は海外暮らしですが、ゆくゆくは日本で死にたいと考えています。ただ、家内が標的になる可能性があると思うと…

マタイと同じじゃん・・・ | 新約聖書 マルコによる福音書 『聖書 新共同訳』

マルコ福音書とは ギリシア語話者に向けた説教書 おわりに マルコ福音書とは 今月より旧約から新約に進み、前回もマタイの福音書を読了したところでした。 今回のマルコの福音書も本件書く前に、一応wikipediaで確認してみました。 ・四つの福音書(マタイ、…

英国の伊坂幸太郎? 洒脱・ユーモラス・そして悲しい、男やもめ三人とユダヤ。 |『The Finkler Question』Howard Jacobson

皆さん、こんにちは。 本を読むときの興奮。 個人的には読む前ってのはピークの一つだと思います。 とりわけ初めての作家さんとか、良く見知らぬジャンルのものとかはワクワクが高まります。そういう時は裏表紙の賛辞も楽しく読めます(大抵大袈裟だけど)。…

税金と国家とGAFA。今後の税金制度はグローバルに? |『グローバル・タックス 国境を超える課税権力』諸富徹

皆さん、こんにちは。 税金というのは興味深い分野だと思います。 そこから、第二の人生を見据えて税理士の勉強でもしようかなと考えたことも一瞬ありました。がChat GTPに聞くと、勉強量が半端ないみたいなので、即否決。始める前から挫折。 でもやはり税金…

素で読んで楽し、蘊蓄語りにも使える | 新約聖書 マタイによる福音書 『聖書 新共同訳』

皆さん、こんにちは。 現在、選挙期間中ですね。皆さんは選挙に行かれていますでしょうか? 私は残念ながら海外に出てからは足が遠のいてしまいました。他方、外国人である家内は選挙権はありませんが、選挙になると慌ただしくなります。 大使館での在外選挙…

やや奇抜なキャラ構成。高校生が書いたと分かればやっぱりすごい |『インストール』綿矢りさ

はじめに 感想は、ふーん 高橋源一郎氏の解説後に再考 おわりに はじめに 本作を読む前に丁度村上春樹氏の『1Q84』を読んでいたこともあり、もうこの綿矢りさ氏ってのは「ふかえり」のモデルだよなあー、と思いつつ読んでいました。 そんな綿矢氏は、京都市…

ノルウェイの森とは違う、別の形の『究極の純愛』 |『1Q84』村上春樹

皆さん、こんにちは。 再読と物忘れについて。 今回読んだ作品、実に10年以上ぶりに読み直しました。 しかも、私には珍しく、当時(文庫だけど)新品で買ったもののよう。 で、恐ろしいことですが、物語の筋をほっとんど忘れているという事実。冒頭に青豆、…

ミニマムかつ正鵠を射る表現、暖かな視線の先の情景を味わう |『わたしと小鳥とすずと』金子みすゞ

皆さん、こんにちは。 突然ですが、思い違い、というのは恥ずかしいものです。 とりわけ、どや顔で知ったかぶりをしたときは。 で、やらかしました。 『みんなちがって、みんないい』 この多様性の権化のようなセリフ、てっきり相田みつをのものだと思ってい…

緩やかな諦観でもっとラクに生きる |『しないことリスト』pha

皆さん、こんにちは。 突然ですが、私、頑張ることが好きです。忙しいことも好きです。 ただ、頑張っていること・忙しいことに酔っている傾向もあり、また頑張ったり忙しくしたりしても評価されない(やり方が悪いのもあります)、家族も喜ばないこともあり…

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