皆さん、こんにちは。
旧正月ですね。私の居住国も多くの華僑がいらっしゃり、先週末から道路がすき始めました。
田舎出身の同僚も、我先にと有休をとり、田舎に戻っていきました。
こういう『家』中心、『正月』絶対主義、こういうのは日本ではほぼ失われたかなと思います。
幾許かの憧憬を持ちつつ、近所の家内の実家に私もお邪魔する予定です。
はじめに
2021年に逝去された山本氏による1995年の作品。大分前の作品ですね。
さて本作、20歳ちょいで結婚し、専業主婦歴6年の元モデルの女性の話です。
乱れる元モデル主婦に思う
端的に言うと、まあ「分かるなあ」という部分と「どうもねえ」という部分、両方あったな、というのが正直な感想。
本作の主人公、兎に角暇。そしてその暇が好きという。彼女は、広告会社を立ち上げたデキメンのご主人に養われています。ご主人は余り帰ってこず、お金は十分に振り込まれ、暇を持て余しつつも楽しみながら日々を暮らす。
振り込まれたお金をパチンコに費やしてみたり、隣家のお父さんと酔っ払って交わったり、はてはその隣家の男の子(15歳)とも交わってしまったり。
でまあ、こうした表面づらだけ見るとなんとまあハレンチな、みたいに見えます。
とは言え、やってはいけないことはやってみたくなり、やらねばならないことは結局手につかない、という主人公の状況は分からなくもない。というか、そういう理性が十分に働かない様子こそ、ある意味で人間らしい、と個人的には思います。
でまあ、主人公の行いは褒められたものではないにしても、ご主人とか隣家からの批判はありこそすれ、それ以外の人が断罪するようなことでもないでしょう。
人間の弱さ、可変性の可能性の物語、とポジティブにも読めるかなと感じた次第です。
おわりに
ということで山本氏の作品でした。
倫理潔癖社会の昨今の日本では読み方が難しいかもしれない作品でした。
ただ、元モデルという主人公ですが、どうにもネットで見かけるふくよかな山本さんの顔が想起されて、何だか私の脳内、昼ドラマみたいな読み口になっちゃいました。
良い悪いということではなくて、人間の一形態として作品を吟味できる方にはおすすめ出来る作品です。
評価 ☆☆☆
2025/01/24