皆さん、こんにちは。
ここ2カ月、今後の生き方の参考にするべく、ノンフィクションや自己啓発系の本を結構読んでいます。
ただ、読んだら読んだで、頭の中がこんがらがってくるんですよね。まあ知恵熱みたいなもので。
そういう時、小説は私にとって一種のシェルターであります。小説世界に没入して楽しむと。
幸い、日本に帰ってくる前にごっそりと買っておいた本の数々があります。そうして積読している本を眺める時間が好き! そんなとき、うっかりニンマリしてしまうのですが、家内に見られてはキモイといわれています。
そんなキモイタイムを経て手に取ったのが本書ですが、いやいや、むしろちょっとキツかったなー。
ということで本題へ参ります。
はじめに
2007年下期の対象として『乳と卵』で芥川賞を受賞された川上未映子氏。
本作は2007年上期の芥川賞候補とされた作品ですが、惜しくも落選。
本作の帯には『とにかく衝撃の、処女作。』とあります。ということで本作は2007年刊行された氏のデビュー作となります。
わけのわからなさ、に確かる光る「すごみ」
実は川上氏の作品も初めてです。読んでみたかったのですが、特に選ばず(いつもの通り金額基準で)買ったのが本作。
いやぁ、帯にある、『とにかく衝撃の、』って、まんま。衝撃。
ほんっとうに、良くわからなかった。
なお、本作は中篇「わたくし率 イン 歯ー、または世界」と短篇「感じる専門家 採用試験」の二篇からなります。変態度合いは後者の方が大きい気がします。
わたくし率 イン 歯ー、または世界
で前者の方ですが、これ、あらすじ、うまく書ける自信ありません。でも書くんですけど笑
本篇、語り手の「わたし」の日常がつらつらと書かれます。
恋人の青木になかなか会えない、だから文通する。青木への気持ちや日常をまだ見ぬ赤ちゃんに手紙として書き残す(妊娠すらしていませんよ)。
ある日「わたし」は美容部員をやめ、歯科医にバイトで応募し無事合格する。そのツンとした雰囲気や特殊な器具に魅了されつつ、先輩の三年子にいじわるをされる日常。で、そういう事も赤ちゃんへの手紙に書く。
とある日、会えない青木に「バイト先に来れば」と手紙を送ると、青木が本当に歯科医に来る。施術後、怒る三年子を振り切り、青木を追い、家のドアのチャイムを鳴らし、扉を開けるとそこにはおびえた顔の青木と女の姿。
ここから「わたし」の怒涛の語り、青木の女からの倍返しくらいの罵詈雑言が乗っかります。
でまあ、こうやって書くだけでもなかなかポエティックな筋。というか、青木とつながっているように見えたのは、実は思い込みだった!?というホラーな展開のようです。
わたくし的には、読むのは結構苦行チックでして、これまた章立てとかがなく途中で止まることも難しく、さりとてこの語感の特殊さが読みづらさを倍増させておりまして。。。
それでもやはり、関西弁の力強さとともに、所々で光るワードチョイスや言葉遊びが効果的で好きな人はめっちゃ好きになりそうだな、と感じました。
感じる専門家 採用試験
で、後者はさらにエキセントリック。
タイトルがユーモラス。言葉遣いもセンスを感じさせる響きがあります。
「在る分の在る」など、分数の概念と存在論を止揚させたかのような書きぶりもありました。
かつて哲学書を読んだときに感じた、「あ、これって筆者が分かりづらく書いているのではなくて、分からないワタシが悪い?」という感覚が蘇りました。
内容をサマるのは更に困難を極めますので早々に諦めますが、突き抜け感が半端ないです。
一言で「すごい」というのも伝わりませんね。なんというか、「奇種」あらわる、みたいな感じでしょうか。「珍種」?みたいな。
おわりに
ということで初の川上未映子氏の作品でした。ちょっと疲れました。
例えるならば前衛芸術を見ているような読後感でした。
皆すごいって言っている。自分でも、その凄さの片鱗は言語化できる。でもやっぱり分からない。何より読んでいて眠くなってしまった(笑)文学界のフォービズム・キュービズムみたいな作品だったのかもしれません。解説が読みたいよ…。
他の作品も買ってあるので、今後読んでみます。次はもう少し楽しめる作品だといいなあ。
評価 ☆☆☆
2025/04/19

