概要とあらまし
本作『マイクロスパイ・アンサンブル』は、音楽とアートのフェス「オハラ☆ブレイク」(福島・猪苗代湖)で、2015年以降フェス来場者に配布されていた“猪苗代湖の話”という連作短編が元になっているそう。2022年4月27日、幻冬舎から単行本として書籍化。
失恋したての新社会人、“居場所のない”元いじめられっ子の少年、いつも謝ってばかりの上司……など、異なる立場・人生の男女が登場する複数の短編が、7年にわたってフェスのために書かれた作品群。彼らがそれぞれ仕事やミッションに取り組む中で、知らず知らず誰かを助けたり、助けられたりしつつ、日常と少し非日常が交差。「見えていることだけが世界の全てではない」というテーマのもと、人と人とのささやかな繋がりと奇跡を描く現代版おとぎ話。
伊坂節、ここでも
一通り読むと、作りこみがややライトな感覚を覚えました(通常の伊坂氏の長編対比で)。7年に渡って毎年書かれた短篇を再構成したという出自もその一因かとは思います。とにかく第一印象はそんな感じ。
ただ、伊坂氏お得意の洒脱な会話や複数ストーリの並行展開はここでも登場。
異世界に住むスパイがこっちの世界に来たり、こっちの人が向こうに行ったり、あるいはこの異世界のスパイと絡み合う。
また絡み合うこちらの人々も、何だかうまくいかなかったり情けなかったりするけれども何とかこの世の中を生き延びる、みたいな。
で最終的にはハッピーエンドであります。
アーティストの歌詞の挿入
一つ特徴があるとすれば、やはり猪苗代湖のフェスの常連アーティストの歌詞がところどころで引用されていること。
きっとファンや知っている方ならばなお一層面白く読めることでしょう。
残念ながら私は存じ上げませんでしたが。。。
おわりに
ということで、伊坂氏の短篇でした。
伊坂氏は本当に東北に根差した作品を書きますよね。私が東北住まいだったらきっと嬉しいだろうなあと思います。
SFっぽい作りですのでそういう感じの作品が好きな方は楽しめると思います。
評価 ☆☆☆
2025/09/16

