皆さん、こんにちは。
私事ですが、昨日で結婚20年でした。
前々から家内とは、早いねー、あっという間だね―などと話していましたが当日まで二人とも忘れていました。仕事中ふと思い出し、どうしよっと思い、急いでグーグルマップでお花屋さんを探し、ちっちゃいブーケを買って帰りました。
「え?私に?」って二人暮らしなんだから、あなたしかおらんやろって感じです。
「あー、ありがとう。忘れてた」とのこと。
まあいいですよ。私が忘れててあなたが覚えていたら、あなた、すごい機嫌斜めになりますもんね。
ここまで20年、色々ありがとうございます。
これから先も、どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに
朝井リョウ氏2009年(当時19歳)の作品。デビュー作。本作で第22回小説すばる新人賞受賞。
これが近年の高校生のリアルなのか
はっきり言うと、あまりついていけなかった、というのが本音。
バレー部のキャプテン桐島が二年の半ばで部活をやめるという所から物語は始まります。
当の桐島は一切出てこず、その周囲のキャラからみた高校生活が描かれます。
野球部のユーレイ部員菊池、バレー部の補欠風助、ブラバンの主将亜矢、映画部の涼也、ソフト部の実果。いわゆる上位組、下位組などの見えない枠を意識しつつ、上位は上位でこのままでいいのだろうかと悩み、下位は下位で縮こまってしまった自己に嫌気がさす。
皆、充実しているように見えて、生きづらさを感じている、不完全燃焼感を感じている、上位には上位の鬱屈、下位には下位のやるせなさがある、そんな筆致でした。
比べるべくもないけど・・・
で、私は男子校に通っていたので、女子のいる生活というのが全く想像できません。共学というのは羨ましすぎる!って常に思っていました。
他方、本作で、女子の上位グループがあからさまに下位グループの男子をバカにしているシーンなどを見ると、「わし共学だったら完全に下位だわ。笑われるやつた」って感じます。
そういう意味では、男子校で救われたかもって思います。
だし、埼玉県みたいな公立の別学が残っているのもそれはそれで多様でよいのではとも感じます。共学に生きづらさを感じるのであれば別学に行けばよろしい、と。
なんてことを考えていると、本作で描かれている生きづらさ・息苦しさみたいなのは、多くの共学で大小あろうも存在するのかもしれません。
実は当初、登場人物の幾つかに「皆さん感傷的やねえ」とやや斜めに構えていたのですが、解説で吉田大八氏(映画監督)が「美化された回想でもなく、現場からの荒々しいレポートでもなく、ギリギリの距離感で触れたか触れないか、そんな生々しさ」(P.242)と仰るところを見ると、きっと近年の高校生ってこんな感じなのでしょうね。
お疲れ様でございます。
おわりに
ということで朝井氏のデビュー作でした。
氏の作品は、特にエッセイが秀逸で高校生の娘が「電車でふいてもた」と申しておりました。確かに面白い。小説は読者の立ち位置で判断が分かれそうですね。
学校生活で悶々としている学生さん、教育実習に赴く前の大学生とかが読んだら少しは参考になるかもしれません。
評価 ☆☆☆
2024/10/23